ニックネーム:Takelph
隠居鍛冶屋の旅日記(主にゲームという名の仮想現実内で)

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2009年11月27日(金)
闇の聖典: 救助活動
 盗賊ジェルジスを蘇生したセイバー達4人は、南の洞窟のエレベーターを使い、地下6階にやってきた。岩戸の前でランディスがドラゴンの鱗を掲げるとゴボゴボと水の引く音がして、やがて岩の扉が内側に開いていった。踏み込もうとするバルバスを制して先頭に立ったセイバーが後ろを振り返った。

「ロザリンド様達が倒れている場所は、このフロアの北西らしい。そこに辿りつくまでに最低一度は戦う必要があるだろう。そして、その戦闘に勝利しない限り救助することはできない。」

「だが忘れないで欲しい。絶対戦ってはならない敵がいる。」

「ああ、わかってるぜ。蟹と小悪魔だろ。」とバルバスが答える。

「もし、そいつらに遭遇したらこれで逃げるわけですな。」とジェルジスが懐からルビーのスリッパを見せた。

「あぁ、それは最後の切り札としておきたいが、相手が強いほど逃げれる確率も低い。遭遇してしまったら真っ先に使うべきかもしれない。」

 セイバー達は、肌寒く湿った空気の淀む通路を進んでいく。いくつかの小部屋を過ぎて北西のエリアに到達したが、そこまでに敵には遭遇しなかった。通路を見渡した限り冒険者の遺体らしきものは見あたらなかったため、ロザリンド達はいずれかの小部屋の内で遭難しているのだろう。

 最初の小部屋に現れたの巨大な触手だった。その先の暗がりに居たのは部屋全体を埋め尽くすかのような巨体、クラーケンである。あまりに巨大なためか1体だけしか出現しないので階層では与し易い敵だ。セイバーとバルバスの集中攻撃に程なくその巨体は崩れ落ちた。

 セイバーが暗がりに松明をかざすと、何やら部屋の片隅に押しやられている襤褸切れのようなものがある。その中に見紛うことなき人間の腕が見えた。

「ロザリンド様!」

 彼らが駆けより付近を詳しく調べたところ、5人分の遺体が発見された。探していたロザリンド達のものである。だが持ち帰ることができるのは2人分だけだ。セイバーとジェルジスは当然だが主君ロザリンドを最優先とすることを主張し、他の二人もそれには同意した。しかし、もう1人をどうするかで意見が分かれた。

 セイバーの言うとおり、最もレベルが高く僧侶呪文を全て覚えている戦乙女のベルリオースを復活させれば、今後の探索が非常に楽になるだろう。だが、彼女を蘇生できるだけの現金の持ち合わせがないため蘇生するまでには暫く資金集めが必要となる。それに対してバルバスが主張したのはリズマン野伏フォルカスの蘇生を優先することである。フォルカスは、前衛としても十分な攻撃力を持っているのに加えて、MATOKANIの呪文を習得できる可能性がある。その呪文さえあればレッサーデーモンに怯える必要がなくなるのだ。

 結局、彼らは、ロザリンドとフォルカスの遺体を回収して連れ帰った。蘇生費用が集まらなければ復活できないなら、次の回収にまわしても問題ないと判断したためだ。

 ダリア城下街の寺院で二人が無事に蘇生されたので、救助部隊の再編成を行った。戦乙女ロザリンドと野伏フォルカスが前衛に立てるため、傭兵戦士バルバスと回収作業に不要な盗賊ジェルジスが控えに回った。新米だが司教ランディスは、補助呪文等で役に立つかもしれない。

「セイバー、貴方の働きには感謝するわ。さぁ、次はお母様を助けに行くわよ。」

 二度目の救助作業では、友好な敵に遭遇したため戦闘を回避し、戦乙女ベルリオースと司教ギレットの遺体が無事に収容された。彼女達の分の蘇生費は足りないので、そのままもう最後に残された盗賊ホークウィントの遺体収容に向かう。ホークウィントの遺体がある小部屋の扉を開いた時、レッサーデーモンの群れに遭遇した。

 野伏フォルカスは残念ながらまだMATOKANIを覚えていなかった。この世界のレッサーデーモンは、MADALTOまで唱えてくるため、それを連発されると体力の低い者は危ない。おまけに呪文無効化能力もあり、仲間を呼んで次々と増えていくため少しでも生き残りがいると危険だ。

「小悪魔は、だめです。逃げて次の機会を待ちましょう。」とセイバーが制したが、ロザリンドは首を振った。

「いえ、相手はたった3匹。やれるわ!」

 前衛の三人がそれぞれ武器で攻撃して、ランディスはCORTUを唱えた。フォルカスとロザリンドは、相手を倒したがセイバーは倒しきれなかった。残った一匹がMADALTOを唱えてくる。前衛はダメージを受けたがなんとか体力で凌ぎ、一番体力的に劣るランディスは幸いにしてCORTUの効果により呪文を無効化することに成功した。

 こうして南の洞窟で倒れていた新第三パーティーが全員救助された。
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2009年11月03日(火)
闇の聖典: 大地の守護者
 ここは、大いなる大地の蛇の修道会の総本山である。

「ダリア地方に派遣されていたブラザー・ゴチの消失が確認されました。」
「大分前にブラザー・グレッグの反応が消えたのもダリア地方でしたね。」
「ダリアといえば、そのブラザー・グレッグから我らが神、グレート・アース・サーペントまたはそのパーシャル・サーペントの可能性ある存在が報告されていた地方です。」
「またパーシャル・サーペントですか?アルマールの迷宮に存在したものは、単なるカオス・サーペントでしたが。」
「しかし、今回の竜はこのダリア地方では嘗ては神と崇められていた存在だということですよ。」
「となると、至急後任者を派遣する必要がありますな。」
「では、使命を終えているブラザー・ランディスをアルマールより転任させましょう。」
「いえ、それはだめです、アルマールではエルフだったはずのブラザー・ランディスは、転送後、ドワーフとなってしまっているとのこと。」
「なんと!?」
「アルマールのブラザー・グレッグがノームからドワーフになってしまったのと同様の転送事故かと思われます。」
「むむむ、仕方ない。では、ブラザー・グレッグの時と同じようにリルガミンから転任させましょう。」


………


 こうして、大地の蛇の修道会より、新たな宣教師としてランディスが派遣されたのだった。しかし、ランディスが訪れたダリア城下街で待っていたのは、店主以外無人の酒場であった。店主の話によると、既に3つのパーティーが消息を絶ち、最後に残った三人の冒険者も南の洞窟に向かってから帰って来ないということだった。

 ランディスは仕方なくその洞窟へと向かったところ、運よく階段を降りて直ぐの場所で遭難者の遺体を発見した。連れ帰ってみるとそれは、戦士セイバー、戦士バルバス、盗賊ジェルジスの3名のものだった。彼らが持っていた金貨を使って寺院で蘇生を依頼すると、全員無事に蘇生された。

「なるほど、状況は飲み込めました。我が兄弟子ゴチは、貴方達の主君と行動を供にしていたのですね。私の使命は、貴方達が倒れていた洞窟の奥にいる竜が我々の信じる神であるのかどうか見極めることです。貴方達についていけばその竜に逢えるのでしょうか?」と三人から事情をきいたとランディスが尋ねた。

「我が主達の話では、地下5階で自らを神と名乗るドラゴンゾンビに遭遇したそうだ。だが、我々はその存在を倒さねばならない。その竜が身に纏う鱗を手に入れなければ地下6階の我が主達を救うことはできないのだ。」とセイバーが答えた。

「倒され得る存在であるなら我々の神の本体である可能性は低いですね。しかし、一部たる存在である可能性はありますね。是非とも同行させてください。」とランディスは言った。

 墓場や寺院で失った鍵類を集めつつランディスの鍛錬を続け、ランディスがKANDIを覚えた時点でロザリンド達の遭難地点を確認した。すると、南の洞窟地下6階のかなり奥のほうだということが判明した。さらにランディスはDIALKOの呪文を覚えると即座に司教に転職した。ロザリンド達を救出したら蘇生費用がかかる。今でも盗賊のジェルジスがいるため宝箱からアイテムは入手できるが、それを商店で鑑定してもらっていたのでは金がなかなか貯まらない。鑑定費用を浮かすことで収入を増やす作戦だ。こうしてランディスがCORTUやなどの呪文を覚えたころ偶然手に入れたルビーのスリッパを頼りついに竜の元へと向かうことになった。幸運にもレッサーデーモンなどの危険な敵に遭わずに、地下5階の最深部にいる洞窟の主のドラゴンゾンビの待つ部屋にたどりつくことができた。

 目の前の巨大な竜が語りかけてきた。
「この国の民は信仰心も薄れ、神は神でなくなった。新しく来た王とやらを騙して時間稼ぎをしてきた。しかし、それももう終わりだ。わたしは復活する。神を裏切る人間供を我が炎で焼き尽くし新しい世界を作り出すために。まだ、完全な姿ではないが、お前らなどこの体で十分だ!」


 そして問答無用で襲いかかってきた。自らの信奉する竜神とよく似た存在からの激しい敵意にたじろいだランディスだったが、すかさずCORTUの呪文を唱える。幸運にも護衛はジャイアントゾンビ1体のみだった。バルバスの剣戟によりジャイアントゾンビは倒すことに成功したが、セイバーが踏み込む前に、ドラゴンゾンビがブレスを浴びせてきた。ルビーのスリッパを持つジェルジスが倒れたがランディスはブレスを避けることに成功した。

「所詮は、パーシャル・サーペントか。」ランディスはそう呟くと、自らにDIOSを唱える。セイバーとバルバスも瀕死となりながらも、次の攻撃で屍竜を屠り、ドラゴンの鱗を手にすることに成功した。

 僧侶グレッグ、ゴチ、そしてランディスの3人はいずれも、ブリタニアでは大いなる大地の蛇の修道会というギルドに属する宣教師でした。大いなる大地の蛇の修道会とは、Ultima Onlineの出雲シャードに実在したRP宗教ギルドで、善と悪、秩序と混沌といった二律背反する戒律の調和を重んじるグレート・アース・サーペントを崇めることを旨としていました。ソーサリアでは、IIIでエクソダスとともに海に沈んだサーペント島の守り神であり、VIIのpart2で古代サーペント島で信仰された秩序の蛇と混沌の蛇の調停者という性格付けがなされたグレート・アース・サーぺントですが、その中庸を是とする性格と大地を守護する竜神という特徴からエセルナートの聖都リルガミンで信奉された中立の守護者、エル・ケブレスと同一の神とみるのが大いなる大地の蛇の修道会の公式見解でした。同時期に誕生したRPGの始祖ともいえるUltimaとWizardryですが、その世界観には意外に共通点が多いです。
 そしてこの外伝IIIで登場するドラゴンゾンビは、かつてのエル・ケブレスではないかとプレイヤーに思わせたい節がありますが、商人に化けてアガンに呪いの仮面を被らせるなど余りに小物ぶりが目立ちます。そこで私としては、外伝IIのスケイリーエンプレスと同列に見てパーシャル・サーペントの一種だったという見解を持ちたいと思います。もっとも、明らかにカオス属性のスケイリーエンプレスとは違い、明らかにカオス属性のアガンに敵対していたことからオーダー・サーペントだったのかも知れません。
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