ニックネーム:Takelph
隠居鍛冶屋の旅日記(主にゲームという名の仮想現実内で)

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2010年11月11日(木)
闇の聖典: →冒険を再開する2
 テレポーターで岩の中に実体化して全滅した善パーティーを探し当てるために、全ての岩ブロックをCALKOで調査しようと決意してから数ヶ月かかってようやくその条件を満たしました。岩の中から救助された善パーティーの6人は寺院で全員無事に蘇生され、これでようやく登録された20人の冒険者全てが探索に参加できるようになりました。



善パーティー 山脈3Fの*岩の中*から復活
 N-Hum-F-Nin→Ran: スカーレットA 生存
 N-Dwa-M-Fig: タケルフA 生存
 G-Hum-M-Lor: ナルシヴァルA 生存
 G-Gno-M-Pri: グレッグ♥ 生存
 N-Hob-F-Thi: レダA 生存
 G-Elf-M-Mag: バイロンA 生存

 平均レベルは15前後。圧倒的に死亡回数の多かったスカーレットとバイロンが遅れています。バイロンはこの時点ではMALORとTILTOWAITのみ未修得。グレッグは全Pri呪文を習得済み。



悪パーティー 山脈5F探索開始
 E-Liz-M-Fig→Nin: モホーク 生存
 N-Raw-M-Sam: ャストキ 生存
 N-Hum-F-Val: ベルリオース 生存
 E-Dra-F-Bis: ベアトリクス 生存
 E-Fae-F-Bar: キリー 生存
 N-Moo-M-Alc: オデッサ 生存

 平均レベルは18前後。中でも第三パーティーの強化を手伝っていたベルリオースはLv20を超えています。キリーとベルリオースとオデッサはそれぞれ、Mag、Pri、Alcの各系統の呪文をマスター済み。モホークの忍者への転職により当初の目標であった全種族全職業制覇が完成。



控えメンバー
 G-Elf-F-Bis: ギレット 生存
 G-Hum-M-Pri: ゴチ 喪失(登録抹消)→E-Elf-M-Bis: ランディス♥ 生存
 E-Hum-M-Thi: ホークウィント 生存
 N-Liz-M-Ran: フォルカス 生存
 E-Dwa-M-Fig: バルバス 生存
 N-Hum-F-Val: ロザリンド 生存
 N-Hum-M-Fig: ヴォルカノ 登録抹消→EG-Dwa-M-Thi: ジェルジスA 生存
 G-Hum-M-Fig: セイバー 生存

 平均レベルは12前後。問題はこの控えメンバーから誰を第三パーティーとするかです。第三パーティーの役割としては、不要となったイベントアイテムを確保しておくだけでなく、折角それなりに強化されたので、山脈では入手率が悪い緊急脱出用のルビーのスリッパや善パーティーが全滅した際に失った悪魔の胸当て等を、少しでも入手率の高そうな南の洞窟B6で入手してくることを考えていました。そのため、それなりの戦闘能力が必要です。結局それは三系統の呪文をどれだけ唱えられるかなのですが、野伏のフォルカスと戦乙女のロザリンドによってAlcとPriの呪文はなんとかなりますが、どうにもならないのがMag呪文。Mag呪文を覚える司教は二人いるが覚えるのが遅すぎます。

 また実は、全アイテムをコレクションするという裏の目標もあります。そのためには転生したキャラクターしか持っていない古代武器と前世防具を最低一つずつは揃える必要があります。プレイ開始の段階では転生させた善パーティーの所持していたそれらのアイテムをギレット達が預かっていたのですが、度重なる全滅により少しずつ失われ、ついに古代の短刀が一つもない状態になってしまっていました。

 Mag呪文の不足と古代の短刀の消失ということから、アルマールかリルガミンから魔術師を転生させることにしました。白羽の矢が立ったのは、アルマールで後方支援に当たっていた宮廷魔術師のリーベです。ただし訓練所の登録冒険者は既に一杯だったので誰かの登録を解除しなくてはなりません。鍵開けの必要がない第三パーティーには戦闘で殆ど役に立たない盗賊は二人も要らないということで死亡による加齢が進んでいたジェルジスを引退させることにしました。ヴォルカノから交代した彼が、たった一人で遺体回収を行い、全員を蘇生させるまでに至らせた功労者でもありますが、涙を飲んでもう一度交代してもらいましょう。




Hum-M-Mag-N リーベA
 ブリタニアでマティアス大公国の創立メンバーの宮廷魔導士、アルマールで後方支援に当たっていたが、ダリアに召喚された。





 そして、第三パーティーは次のメンバーに固定し、後の二人には酒場で不要になったが売れないアイテムの管理にあたってもらいます。


第三パーティー 南の洞窟で支援活動
 N-Liz-M-Ran: フォルカス 生存
 N-Hum-F-Val: ロザリンド 生存
 G-Hum-M-Fig: セイバー 生存
 E-Hum-M-Thi: ホークウィント 生存
 G-Elf-F-Bis: ギレット 生存
 G-Dwa-M-Thi: ジェルジスA 登録抹消→N-Hum-M-Mag: リーベA 生存

酒場待機組 売れないアイテムの管理
 E-Elf-M-Bis: ランディス♥ 生存
 E-Dwa-M-Fig: バルバス 生存
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2010年09月13日(月)
闇の聖典: 善パーティー発掘
 無事に復活した悪パーティー、忍者モホーク、戦乙女ベルリオース、侍ャストキ、司教ベアトリクス、錬金術師オデッサ、吟遊詩人キリーの六人は更に山脈4階のシュートの調査を進めた。善パーティーが遭難した可能性が高い山脈3階を調べ尽くす為には、全てのシュートを下ってみるしかないからだ。その探索は、困難を極め一歩間違えれば全滅というギリギリの戦いの連続だったが、そんな彼らも着実に力をつけていっていた。そして以前であれば一目散に逃げ出していた相手にも果敢に立ち向かい始めた。

 ジャイアントクラブ9匹との以前であれば絶望的な戦いを制したのは、ベアトリクスとキリーによるMORLISの重ねがけの後の前衛三人による確実な打撃と、オデッサのNOFISの重ねがけの後のキリーのTILTOWAITによるものだ。残念ながら途中でャストキは首を刎ねられてしまったが…。

 さらに、ブロブアイ5匹との遭遇戦では、キリーの機先を制するTILTOWAITによりブロブアイ2匹が倒れた。以前であれば殆どの呪文が無効化されていた相手にもある程度呪文が貫通するようになったことに自信をつけて攻撃を続行する。石化ブレスで攻守の要となるベルリオースが石化されてしまったときには、ベアトリクスの頭を撤退の文字がよぎったが、ャストキが持っていた特効薬により無事にベルリオースの石化が治療されたため、希望を捨てずに戦いを続けた。だが、オデッサが力尽き、続いてブレスによってキリーも死亡してしまう。倒しても倒しても新たなブロブアイが現れるうちに、こちらの物理攻撃がだんだんと当たらなくなり形勢は一気に不利となる。そこで、モホークが忍者になって覚えたNOFISを唱え、ベルリオースのMABARIKOやャストキのMADALTOの呪文による攻撃に転じた。ベルリオースが再び麻痺を受けてしまうという危ない場面もあったが、ベアトリクスがDIALKOで治療して戦いを続行する。さらにベアトリクスがMORLISを唱え続けていると再び物理攻撃が当たるようになったが、今度は呪文が殆ど効かなくなったため再び前衛の三人は物理攻撃に転じる。ブロブアイが最後の1匹となった時、ャストキもベアトリクスも麻痺を受けて動けなくなっていた。だが、モホークとベルリオースの打撃が連続で決まりついにブロブアイ相手に勝利を得ることができた。この勝利は悪パーティーにとって転機となった。

………

「さぁ、いよいよこれが最後のシュートじゃな。キリーや、LITOFEITを解除するのじゃ。」ベアトリクスが言った。

「うん、わかった。PALIOS!」キリーがPALIOSを唱えた。

 するとそれまで数センチだけ宙に浮いていた6人の足が迷宮の岩盤の上に降り立った。LITOFEITの効能としては、ピットなどに踏み込んでも落下しないのでダメージを受けず、また足音を消す効果もあるため、敵に気づかれずに奇襲できることが多くなる。ただでさえ恐ろしい敵が出てくるこのエリアで、生き延びるためには必要不可欠な呪文といえる。だがこの呪文が発動しているうちは、シュートを下ることができないため一旦解除する必要があるのだ。

 「じゃぁ、行くぜ。ウラーッ!」とかけ声を上げて先頭のモホークがシュートに踊り込もうとしたその時だ。突如としてシュートの穴を塞ぐようにしてファイアージャイアントとブロブアイの集団が現れて襲い掛かってきた。LITOFEITを解除した一瞬の隙を突くかのような奇襲攻撃だった。

 ファイアージャイアントとブロブアイが交互にブレスを吐いてきたため、早くもオデッサが死亡し、ベアトリクスが石化してしまった。

「まさかシュートの上に現れるなんて!」憤りを感じ、咄嗟にLOKTOFEITを唱えようとしたベルリオースだったが、横にいるモホークとャストキが被りを振った。

「今日こそ、こいつらとの因縁にケリをつけてやる。」とモホーク。

「然り。この達人の刀に賭けて。」とャストキ。

 その二人の目に宿る自信を観てベルリオースも考えを改めた。LOKTOFEITのために準備した第6サークルの詠唱術式をそのままMADIに変更してベアトリクスを治療した。モホークはKADIOSを瀕死のキリーに。ャストキは達人の刀でファイアージャイアントを一刀のもとに切り伏せた。キリーはCORTUを唱える。

「世話をかけたのぅ。さぁ反撃といこう。キリーや、TILTOWAITをお見舞いするのじゃ。」石化が解けたベアトリクスもまだ戦意は失っていない。自らは再度CORTUを唱えてブレスと呪文に備える。

 キリーのTILTOWAITはファイアージャイアントを一掃しただけでなく、以前は殆どの呪文を無効化されていたブロブアイに対してもダメージを与えていた。さらにモホーク、ャストキ、ベルリオースの追撃が決まり数体のブロブアイも倒れた。向こうもLADALTOやブレスを唱えてきたがCORTUの重ねがけが功を奏してか、無効化することに成功した。こちらのレベルが上がって来た証拠だ。

 だが、分裂によるのか召還によるのか、新たなブロブアイも現れた。新たに現れるブロブアイは強化されているのか、前衛たちの通常攻撃が殆どはじかれてしまい、2度目のTILTOWAITは殆ど貫通しないようだ。そこで戦略を換え、モホークはNOFISで敵の呪文無効化結界に干渉し、ベアトリクスはMORLISにより物理防御力を下げていった。その間にャストキが麻痺受けたりもしたが、すかさずベルリオースが治療する。再び攻撃が通るようになったところで一斉にLADALTO、TILTOWAITと前衛の総攻撃を仕掛けついに因縁の相手から勝利をもぎ取った。

「よしっ!勝ったぜ!ハオォーーーーッ!」とモホークが勝利の雄叫びを上げた。

「オデッサが犠牲になったから完全勝利とはいかなかったがな。」真っ先に倒れた錬金術師を気遣いつつもベアトリクスもどこか満足気であった。

 戦闘が終了したとたんに彼らはシュートの中に引き込まれ、階下の山脈3階に降り立っていた。DUMAPICで確認すると案の定そこは最後に残された未踏地帯であった。いくつか踏破済みの通路に出る一方通行の扉らしきものがあったが、迷わず未踏地へと踏み込んでいく。地図と照らし合わせて周囲の通路との間に空間がありそうな場所では、モホークとベルリオースがCALKOとKANDIを同時にかけて行く。そして終に…。

「この壁の向こうの岩に違和感を感じるぜ。」とモホークが言った。

「間違いない。ナルシヴァル殿達の気配です。」とベルリオース。

「ということは座標はここじゃな。うむ、正確な座標さえ判明すれば後は、あの者達に任せればよい。」ベアトリクスが地図と照らし合わせて正確な座標を割り出した。

………

 岩の中への実体化によりKANDIが効かなくなっていた善パーティーの所在地が判明した今、発掘はダリア城下の王室付き近衛兵団に任せることができる。勿論、岩壁を掘削して埋没した人体を掘り出すなどというのは並大抵のことではできないことだが、彼らは救出作業のプロフェッショナルだった。約1週間後には、岩と同化した際に石化し、さらに発掘によって部分的に損壊してはいたが、6人分の遺体が寺院へと運びこまれた。
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2010年03月09日(火)
闇の聖典: 悪戦苦闘
 善パーティー達が居残り組のギレットに告げていた探索予定によれば、彼らは山脈4階のシュートの調査を行っていたはずで、それの通りに行動していたなら山脈4階か3階で遭難した可能性が高い。しかし、ベルリオース達がKANDIを唱えても山脈に彼らの反応は感知されなかった(本当は遺体は寺院に送還されている)。KANDIの呪文の対象となることからまだ喪失してはいないようだが、KANDIの探知が届かない区域にいるという可能性がある。KANDIの呪文の効果範囲は複数の街と複数の迷宮を覆い尽くせるほど広いものだが、無限ではない。

「余程の遠方に移動させられてしまったのですかね?」とベルリオースが首をかしげる。

 すると、ベアトリクスが口を開いた。

「あるいは岩の中に飛び込んだか、じゃな…。」

 ベアトリクスによれば、KANDIの呪文は通常空間に存在する遺体の場所は感知できるが岩の内部などに同化した遺体については感知することができないらしい。迷宮内のテレポーターの罠にかかればそうなる可能性は十分にある。そこで遺体の捜索にオデッサとモホークによるCALKOを使うことになった。CALKOという錬金術呪文は前方の1ブロックの内部に空間があるかそれとも岩によって密閉されているかを判別することができる呪文である。これにKANDIを併用することで密閉された空間内部に遺体があるかどうかを判別することができるという寸法だ。まずは山脈4階の中央にある岩の柱の内部を調べてみたが、内部には空間があり遺体も存在しないことが判明した。となると可能性が高いのは山脈3階である。全ての岩を調べるには4階から全てのシュートに落ちてみる必要があるだろう。

 突然、目の前に炎が立ち上り巨大な姿が行く手に立ち塞がった。その足元には無数の眼が這い回っている。ファイアージャイアントとブロブアイ、この山脈4階でも最強最悪の魔物集団だった。嘗て善パーティーは一目散に逃げ出した相手だが、全メンバーが復活した悪パーティーは敢えて踏み留まった。勿論勝算もあった。ファイアージャイアントにブレスを食らいながらも、オデッサのNOFIS(敵の呪文無効化率低下)とキリーのTILTOWAITのコンボが上手くきまり、逆にファイアージャイアントを一掃することに成功した。嫌らしい石化ブレスを持つブロブアイものこり3匹まで減らすことができた。しかし、その残ったブロブアイのブレスで、体力の低いオデッサとベアトリクスが死亡した。さらにブロブアイの麻痺攻撃を受けてベルリオースとャストキは麻痺させられてしまった。

「クソ!やっぱり駄目だったか!」生き残ったモホークが逃げる準備を始めると、

「待って!まだ勝てる可能性はあるよ!」キリーがそれを制止し、呪文の詠唱を始めた。

 それはMAHAMANの呪文だった。1レベルの低下というペナルティがあるために滅多なことでは使用されることはない禁断の呪文だが、それと引き換えに得られる奇跡の中には、魔物をテレポートさせる、あるいは全員復活させるというものがある。そのどちらかでも発動させることができれば、この危機的状況を脱出することができることにキリーは賭けたのだ。しかし、啓示された奇跡には、そのどちらも含まれてはいなかった。そして次のターンには、ブロブアイ達のブレスによりモホークとキリーも死亡してしまった。

………

 その様子を宝珠の力によって見ていたフォルカス、セイバー、ロザリンド、ホークウィント、ギレットは直ちに救助に駆けつけた。幸い魔物との遭遇もなくエレベーターで山脈4階の巨大なホールに到達することができた。しかし、この見通しの良さそうなホールの随所にシュートやピットが存在し、さらに魔物も待ち構えていることはベアトリクス達から聞かされているため迂闊に踏み込むことはできない。野伏のフォルカスが暗闇を見通して遺体の倒れている場所を把握した。さらにヘビィクロスボウを構えて、末端にロープを繋いだ矢を番える。矢尻は通常の物ではなく三又のフックのようになっているものだった。

*ヒョウッ*

 放たれた矢は真っ直ぐに悪パーティーの倒れている場所に向かって飛び、フォルカスの腰に繋がれたロープが蛇のようにのたうちながら繰り出された。矢は数百メートル離れた地点に倒れている悪パーティーを越え、少し先の石床に跳ね返って転がった。フォルカスの計算通り、ロープを少し引き寄せると倒れている小柄な遺体に引っ掛かる。フックが固定されたことを確認して一気に引き寄せられたのはキリーの遺体だった。無事に街に連れ帰られて蘇生されたキリーのMALORによって、残り五人の遺体も無事回収され蘇生された。
2010-03-09 | 記事へ | コメント(2) | トラックバック(0) |
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2010年02月01日(月)
闇の聖典: 悪パーティー復活
 冒険者達の探索行を大きく2つの段階に分けるとすれば、MALOR習得前と後に分けることができる。魔術師Lv7に属するこの呪文の存在はそれほどに大きい。魔術師Lv7というと最強の全体攻撃呪文であるTILTOWAITのほうが一般的にはインパクトがあるかもしれないが、TILTOWAITはあくまでも戦闘時にしか利用価値はなく探索に与える影響は少ない。一方このMALORの存在は、探索の仕方を一変させてしまう。

 まず、それまで体力や呪文の消耗なしには到達できなかった探索の最前線まで魔術師Lv7の呪文一つで到達することができるようになる。また帰還時も魔術師Lv7の呪文が1回残っていれば事足りるようになるため、残る全力を探索に注ぎ込むことが可能となり探索の効率が飛躍的に上昇する。帰還に関しては僧侶Lv6のLOKTOFEITでも良いが、一度使用すると忘却してしまうため、使用可能な局面が限定される点でやはりMALORの方が利便性が高い。

 そしてもう一つの価値は、MALORを唱えられる者が1人残っていれば全滅後の救助が圧倒的に楽になることである。これは、その世界の摂理にもよるが、少なくともこのダリアにおいては、MALORにより移動した場合そこが通常魔物の現れる部屋であってもその戦闘を回避できるという点が大きい。これによって、どんな危険地帯でパーティーが全滅しても、MALORを使える者が1名酒場にいれば安全に救助を済ますことができるようになる。(ただしその遭難地点にMALORでの進入を拒む結界が張られている場合はその限りではない。)

 ちなみに、旧来の世界ではMALORのもう一つの価値として戦闘時の緊急離脱というものがあった。それは、例えばエナジードレインなどを受けた際や、同じ魔術師Lv7に属するMAHAMANを唱えた際の経験値減少を回避できるという点で非常に大きな価値があるものだったが、少なくともアイラス女王の治世のリルガミン以降、その利点は失われ、その役目は一度使用すると忘却されるLOKTOFEITに取って代わられた。また、緊急脱出としてのMALORでは、移動先がランダムに決定されるため、常に*石の中*へのテレポートという危険性が避けられず、経験値減少回避の利点がない以上、常用することは賢明とは言いがたい。

 さて、宝箱の罠のテレポーターによって*石の中*で全滅した善パーティーの魔術師バイロンですらまだ習得していなかったこのMALORを吟遊詩人のキリーが早くも習得してくれたのは行幸と言わざるを得ない。これによって、戦乙女ベルリオース、司教ベアトリクス、吟遊詩人キリーの三人で難なく、残った悪パーティーのメンバー、戦士モホーク、侍ャストキ、錬金術師オデッサを救助することができた。この三人も無事に寺院で蘇生され、悪パーティーはここに復活を遂げた。

「やれやれ、随分休んだせいで体が鈍っちまったぜ。ちょっと鍛え直すんで皆付き合ってくれ。」

 別段死んでいたせいで鈍ったわけではないが戦士モホークは、忍者への転職条件を満たしていたため、当初の計画通りに忍者に転職した。転職したてのモホークをそれなりのレベルに戻すために、山脈の麓で鍛え直すことになったのだ。戦士時代に体に馴染んでいた悪の鎧が忍者になったとたんに体に合わなくなったのは予想外のことではあったが、忍者となったモホークは、前にも増して頼れる存在となった。

 もちろんその間、他のメンバーも休んでいたわけではない。第三パーティーの育成に力を貸していたベルリオースはただ1人Lv20の大台に乗った。ベアトリクスやャストキもBACORTUやMADALTOなどの有用な呪文を覚え、オデッサも全ての錬金術呪文を覚え終えた。さらにキリーが新しい呪文を習得した。奇跡の呪文MAHAMANと最強の全体攻撃呪文TILTOWAITである。こうして悪パーティーの体勢は整い、山脈で遭難した善パーティーの捜索が再開されることとなった。
2010-02-01 | 記事へ | コメント(4) | トラックバック(0) |
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2010年01月27日(水)
闇の聖典: 魔女の弟子
 聳え立つ岩山の麓に暗く開いた小さな洞窟を前に、戦乙女ベルリオースは身震いを禁じえなかった。この奥で彼女の仲間達は全滅し、彼女だけがその後救助されたのだった。今自分は、後進の者達を従えて仲間の救助に向かっている。彼らは彼女のかつての仲間達と比べればまだまだ見劣りがするが、それなりの実力は備えつつある。運さえよければ仲間の遺体を担ぎ出すことは可能だろう。

 洞窟に入るとすぐ木製の梯子が上層に向かって伸びている。王の親衛隊達がこの岩山の攻略のために設置したものだろうが、その高低差ためにこの山脈の最初の階層は1階ではなく2階と呼ばれていた。梯子を上がると扉がありその扉を抜けると回廊が三方向に続いている。困ったように振り返った野伏フォルカスに、ベルリオースは迷うことなく真っ直ぐ進むよう促した。やや形の歪んだ十字路を経て階層の反対側に到達しそこに存在する扉を開く。そこには更に上層へ向かう昇降機が設置されていた。元からあったものなのか、これも王の親衛隊が設置したものかはわからない。だがこの昇降機の向かう先に凶悪な魔物が待ち構えており、そこに彼女の仲間が倒れていることだけはわかっている。

 昇降機を次の層、山脈3階で降り、彼女達は回廊を慎重に進む。運悪くブロブアイなどの強敵に出会ってしまえば、彼女達の実力では簡単に全滅を喫するだろう。そうなれば、次に控える更に実力の劣るセイバー、ホークウィント、バルバス達に救助を頼むしかない。一瞬の油断はここまで積み上げたものの崩壊を意味した。

 慎重に戦闘を回避しつつ、通路の奥、かつて司教ベアトリクスが一人で踏み込んだ小部屋の前にやってきた。ベルリオース達の悪のパーティーのリーダーであり、かつてこの後進組の育成にも力を貸したベアトリクスこそ最優先で救助すべき者だと判断されたからだ。

 扉を開くと魔物が出現する。もしそれがブロブアイであれば有無を言わさずLOKTOFEITで逃げる必要がある。だがそこで出現したのは5体のバーサーカーと3体のサッキュバスだった。フォルカスとロザリンドがサッキュバスに挑み、ベルリオースがMABARIKOを唱える。ギレットは、CORTUを唱えた。ギレットのCORTUではサッキュバスのMADALTOを殆ど封じることができなかったが幸い1発だけでは誰も死者は出ていない。ベルリオースのMABARIKOが効いてバーサーカーは全滅し、サッキュバスの何体かにも傷を負わせることができた。そこにロザリンドの剣戟が決まりサッキュバスを1体倒した。これによって形勢は決まり戦闘に勝利することができた。

 そして…、変わり果てたベアトリクスの亡骸が部屋の隅に存在した。ベルリオースは自分の着ていた闇夜のマントを脱いで遺体を覆い隠し丁寧に包んだ。彼女の目配せにフォルカスがそれを背中に担ぎ上げる。

「さぁ、あと一人連れ帰りますわよ。」

 次の小部屋では魔物は出現しなかった。そして残された4人の遺体が見つかった。幸い誰の遺体も失われずに済んだようだ。ベアトリクスの次に誰を優先的に連れ帰るか少し逡巡したベルリオースだったが、やがて指し示したのは吟遊詩人キリーのものだった。今度はロザリンドが自らのマントでキリーを包み背負う。ベルリオースの無意識下で何か予感がそうさせたのだろうが、このときはまだその意味を十分には理解していなかった。

 無事に二人の遺体をダリア城下に連れ帰り、寺院で蘇生を依頼したところ見事に二人とも復活することができた。ベアトリクスは事態を瞬時に理解して済まなそうに顔を背けた。逆にキリーは、自分が何故そこにいるのか理解できていなかった。

「あれ?アタシなんでここに…。」

 蘇生直後で衰えたベアトリクスとキリーの体力をMADIで回復させ彼女らを宿で休ませるとキリーのレベルが一つ上昇した。キリーは呪文書を確認して喜び勇んで師匠のベアトリクスに報告をした。

「ニシシ、ねーベア、私ついに魔術師の最高レベルの呪文覚えたよ!」

 ベアトリクスは、司教である自分より成長の早い弟子の呪文書を覗きこんでみたところそこには、MALORの呪文が記されていた。

「お手柄だよ、キリー。」

 滅多なことでは弟子を褒めなかった師が、ここ一番に弟子を褒め抱きしめた。




 すいません。年明け早々から子供のインフルエンザを貰って寝込んでしまいました。全滅につぐ全滅で苦しんだ外伝IIIのプレイ日記も漸くここまできました。あとはトントン拍子にいくはずと思いきや結構この後も苦労しますが、そこはあまり詳しくは述べずにそろそろこのプレイ日記も完結させたいと思います。
2010-01-27 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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2010年01月02日(土)
闇の聖典: 課せられた試練
 南の洞窟地下6階ともなるとそこそこ珍しいアイテムが手に入る。得たアイテムを司教ランディスが鑑定をしてくれるお陰で徐々に蘇生費用が貯まっていった。司教ギレットが蘇生された後は、鑑定はよりレベルの高いギレットの役割となった。
 ようやく蘇生費が貯まって戦乙女ベルリオースが蘇生されると第三パーティーの力は飛躍的に上昇した。全ての僧侶呪文を使いこなし、繰り出す長槍の一撃は、南の洞窟の殆どの敵を一撃で葬りさる。そんなベルリオースは、同じ戦乙女であるロザリンドにとって父母に次ぐ目標となった。

「あなた達が充分に力をつけたと判断できたら、私の仲間達を救助するために山脈に向かいましょう。」と、そのベルリオースが言った。

 ベルリオースの課した試練は、ベルリオースを除き、戦士セイバー、野伏フォルカス、戦乙女ロザリンド、盗賊ホークウィント、司教ギレットの5名で南の洞窟から宝珠を持ち帰ることであった。実際問題としては特に困難な課題という訳でもない。迷宮の主の鱗を入手している現在、運さえ良ければ全く敵と戦うことなく達成できる課題である。だが、全く無事というわけにはいかない。5人が、あと数歩で宝珠の安置された玄室まで辿り着ける位置まで来たときだった。

「蟹!2匹!」

 先頭を歩いていたフォルカスが叫ぶ。最も遭遇したくない魔物、ジャイアントクラブに遭遇してしまったのだ。幸い数は2匹と少ないが侮ることはできない。ベルリオースの居ない今、確実にダメージを与えるにはMORLIS(敵1グループのACを4上昇させ、また行動を止める)の重ねがけが必要だ。ギレットとフォルカスがMORLISとMAPOBA(敵1グループのACを2上昇させ、パーティ全員のACを2低下させる)を唱える。ロザリンドはBAMATU(パーティ全員のACを3低下させる)を唱える。だが次の瞬間、蟹は仲間を呼び、4匹に増えていた。続いてロザリンドたちは攻撃に転じたが、硬い甲羅は殆ど攻撃を受け付けない。逆にセイバーが重症を負わされ、蟹はさらに仲間を呼んで7匹に増えていた。

「ロザリンド、これは無理よっ。逃げましょう!」

 母ギレットの言葉に、呆然となりかけていたロザリンドは我に返った。逃走か応戦かの決断を迫られている今、立ち尽くしている場合ではなかった。逃走に成功すれば、この難敵を避けることができるが、失敗すれば敵に晒した背後からまともに攻撃を受ける。その巨大な鋏は一瞬の判断を誤れば、パーティーを壊滅させるだろう。

 幸運にもロザリンド達は無事に逃げ切ることに成功し、宝珠の安置された玄室まで辿り着くことができた。この宝珠奪取のカラクリについては既にギレットは、夫ナルシヴァルから聞かされていたため、その後宝珠を持ち帰ることについては問題なかった。

 宝珠を持ち帰りベルリオースの課した試練に合格した彼らは、いよいよ山脈で全滅したベルリオースの所属していた悪パーティー、そしてナルシヴァル率いる善パーティーの救助に向かうことになった。ベルリオースが発表した救助隊のメンバーは、前衛、フォルカス、ベルリオース、ロザリンド。後衛、ギレットだった。一度に2人は救助する為の4人での編成だ。

「いいですか、山脈の敵はこれまでの敵とは違います。特にブロブアイなどは、倒そうなどと思ってはいけません。あくまでも自分達の命が最優先。その次が救助です。」と、ベルリオースが念を押す。

 その言葉に耳を傾けながら、奮い立つ気持ちを押さえたロザリンドは、そびえ立つ山脈を見上げて父の救助を誓ったのだった。


 素晴らしい画才をお持ちの死屍累々の管理人、高坂様が、中々更新が進まない私を励まして下さるためにロザリンドの絵を描いてくださいました。勿体ないことです。家宝にします。大分前に頂いたのに掲載が遅くなって本当に申し訳ありません。
2010-01-02 | 記事へ | コメント(4) | トラックバック(0) |
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2009年11月27日(金)
闇の聖典: 救助活動
 盗賊ジェルジスを蘇生したセイバー達4人は、南の洞窟のエレベーターを使い、地下6階にやってきた。岩戸の前でランディスがドラゴンの鱗を掲げるとゴボゴボと水の引く音がして、やがて岩の扉が内側に開いていった。踏み込もうとするバルバスを制して先頭に立ったセイバーが後ろを振り返った。

「ロザリンド様達が倒れている場所は、このフロアの北西らしい。そこに辿りつくまでに最低一度は戦う必要があるだろう。そして、その戦闘に勝利しない限り救助することはできない。」

「だが忘れないで欲しい。絶対戦ってはならない敵がいる。」

「ああ、わかってるぜ。蟹と小悪魔だろ。」とバルバスが答える。

「もし、そいつらに遭遇したらこれで逃げるわけですな。」とジェルジスが懐からルビーのスリッパを見せた。

「あぁ、それは最後の切り札としておきたいが、相手が強いほど逃げれる確率も低い。遭遇してしまったら真っ先に使うべきかもしれない。」

 セイバー達は、肌寒く湿った空気の淀む通路を進んでいく。いくつかの小部屋を過ぎて北西のエリアに到達したが、そこまでに敵には遭遇しなかった。通路を見渡した限り冒険者の遺体らしきものは見あたらなかったため、ロザリンド達はいずれかの小部屋の内で遭難しているのだろう。

 最初の小部屋に現れたの巨大な触手だった。その先の暗がりに居たのは部屋全体を埋め尽くすかのような巨体、クラーケンである。あまりに巨大なためか1体だけしか出現しないので階層では与し易い敵だ。セイバーとバルバスの集中攻撃に程なくその巨体は崩れ落ちた。

 セイバーが暗がりに松明をかざすと、何やら部屋の片隅に押しやられている襤褸切れのようなものがある。その中に見紛うことなき人間の腕が見えた。

「ロザリンド様!」

 彼らが駆けより付近を詳しく調べたところ、5人分の遺体が発見された。探していたロザリンド達のものである。だが持ち帰ることができるのは2人分だけだ。セイバーとジェルジスは当然だが主君ロザリンドを最優先とすることを主張し、他の二人もそれには同意した。しかし、もう1人をどうするかで意見が分かれた。

 セイバーの言うとおり、最もレベルが高く僧侶呪文を全て覚えている戦乙女のベルリオースを復活させれば、今後の探索が非常に楽になるだろう。だが、彼女を蘇生できるだけの現金の持ち合わせがないため蘇生するまでには暫く資金集めが必要となる。それに対してバルバスが主張したのはリズマン野伏フォルカスの蘇生を優先することである。フォルカスは、前衛としても十分な攻撃力を持っているのに加えて、MATOKANIの呪文を習得できる可能性がある。その呪文さえあればレッサーデーモンに怯える必要がなくなるのだ。

 結局、彼らは、ロザリンドとフォルカスの遺体を回収して連れ帰った。蘇生費用が集まらなければ復活できないなら、次の回収にまわしても問題ないと判断したためだ。

 ダリア城下街の寺院で二人が無事に蘇生されたので、救助部隊の再編成を行った。戦乙女ロザリンドと野伏フォルカスが前衛に立てるため、傭兵戦士バルバスと回収作業に不要な盗賊ジェルジスが控えに回った。新米だが司教ランディスは、補助呪文等で役に立つかもしれない。

「セイバー、貴方の働きには感謝するわ。さぁ、次はお母様を助けに行くわよ。」

 二度目の救助作業では、友好な敵に遭遇したため戦闘を回避し、戦乙女ベルリオースと司教ギレットの遺体が無事に収容された。彼女達の分の蘇生費は足りないので、そのままもう最後に残された盗賊ホークウィントの遺体収容に向かう。ホークウィントの遺体がある小部屋の扉を開いた時、レッサーデーモンの群れに遭遇した。

 野伏フォルカスは残念ながらまだMATOKANIを覚えていなかった。この世界のレッサーデーモンは、MADALTOまで唱えてくるため、それを連発されると体力の低い者は危ない。おまけに呪文無効化能力もあり、仲間を呼んで次々と増えていくため少しでも生き残りがいると危険だ。

「小悪魔は、だめです。逃げて次の機会を待ちましょう。」とセイバーが制したが、ロザリンドは首を振った。

「いえ、相手はたった3匹。やれるわ!」

 前衛の三人がそれぞれ武器で攻撃して、ランディスはCORTUを唱えた。フォルカスとロザリンドは、相手を倒したがセイバーは倒しきれなかった。残った一匹がMADALTOを唱えてくる。前衛はダメージを受けたがなんとか体力で凌ぎ、一番体力的に劣るランディスは幸いにしてCORTUの効果により呪文を無効化することに成功した。

 こうして南の洞窟で倒れていた新第三パーティーが全員救助された。
2009-11-27 | 記事へ | コメント(6) | トラックバック(0) |
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2009年11月03日(火)
闇の聖典: 大地の守護者
 ここは、大いなる大地の蛇の修道会の総本山である。

「ダリア地方に派遣されていたブラザー・ゴチの消失が確認されました。」
「大分前にブラザー・グレッグの反応が消えたのもダリア地方でしたね。」
「ダリアといえば、そのブラザー・グレッグから我らが神、グレート・アース・サーペントまたはそのパーシャル・サーペントの可能性ある存在が報告されていた地方です。」
「またパーシャル・サーペントですか?アルマールの迷宮に存在したものは、単なるカオス・サーペントでしたが。」
「しかし、今回の竜はこのダリア地方では嘗ては神と崇められていた存在だということですよ。」
「となると、至急後任者を派遣する必要がありますな。」
「では、使命を終えているブラザー・ランディスをアルマールより転任させましょう。」
「いえ、それはだめです、アルマールではエルフだったはずのブラザー・ランディスは、転送後、ドワーフとなってしまっているとのこと。」
「なんと!?」
「アルマールのブラザー・グレッグがノームからドワーフになってしまったのと同様の転送事故かと思われます。」
「むむむ、仕方ない。では、ブラザー・グレッグの時と同じようにリルガミンから転任させましょう。」


………


 こうして、大地の蛇の修道会より、新たな宣教師としてランディスが派遣されたのだった。しかし、ランディスが訪れたダリア城下街で待っていたのは、店主以外無人の酒場であった。店主の話によると、既に3つのパーティーが消息を絶ち、最後に残った三人の冒険者も南の洞窟に向かってから帰って来ないということだった。

 ランディスは仕方なくその洞窟へと向かったところ、運よく階段を降りて直ぐの場所で遭難者の遺体を発見した。連れ帰ってみるとそれは、戦士セイバー、戦士バルバス、盗賊ジェルジスの3名のものだった。彼らが持っていた金貨を使って寺院で蘇生を依頼すると、全員無事に蘇生された。

「なるほど、状況は飲み込めました。我が兄弟子ゴチは、貴方達の主君と行動を供にしていたのですね。私の使命は、貴方達が倒れていた洞窟の奥にいる竜が我々の信じる神であるのかどうか見極めることです。貴方達についていけばその竜に逢えるのでしょうか?」と三人から事情をきいたとランディスが尋ねた。

「我が主達の話では、地下5階で自らを神と名乗るドラゴンゾンビに遭遇したそうだ。だが、我々はその存在を倒さねばならない。その竜が身に纏う鱗を手に入れなければ地下6階の我が主達を救うことはできないのだ。」とセイバーが答えた。

「倒され得る存在であるなら我々の神の本体である可能性は低いですね。しかし、一部たる存在である可能性はありますね。是非とも同行させてください。」とランディスは言った。

 墓場や寺院で失った鍵類を集めつつランディスの鍛錬を続け、ランディスがKANDIを覚えた時点でロザリンド達の遭難地点を確認した。すると、南の洞窟地下6階のかなり奥のほうだということが判明した。さらにランディスはDIALKOの呪文を覚えると即座に司教に転職した。ロザリンド達を救出したら蘇生費用がかかる。今でも盗賊のジェルジスがいるため宝箱からアイテムは入手できるが、それを商店で鑑定してもらっていたのでは金がなかなか貯まらない。鑑定費用を浮かすことで収入を増やす作戦だ。こうしてランディスがCORTUやなどの呪文を覚えたころ偶然手に入れたルビーのスリッパを頼りついに竜の元へと向かうことになった。幸運にもレッサーデーモンなどの危険な敵に遭わずに、地下5階の最深部にいる洞窟の主のドラゴンゾンビの待つ部屋にたどりつくことができた。

 目の前の巨大な竜が語りかけてきた。
「この国の民は信仰心も薄れ、神は神でなくなった。新しく来た王とやらを騙して時間稼ぎをしてきた。しかし、それももう終わりだ。わたしは復活する。神を裏切る人間供を我が炎で焼き尽くし新しい世界を作り出すために。まだ、完全な姿ではないが、お前らなどこの体で十分だ!」


 そして問答無用で襲いかかってきた。自らの信奉する竜神とよく似た存在からの激しい敵意にたじろいだランディスだったが、すかさずCORTUの呪文を唱える。幸運にも護衛はジャイアントゾンビ1体のみだった。バルバスの剣戟によりジャイアントゾンビは倒すことに成功したが、セイバーが踏み込む前に、ドラゴンゾンビがブレスを浴びせてきた。ルビーのスリッパを持つジェルジスが倒れたがランディスはブレスを避けることに成功した。

「所詮は、パーシャル・サーペントか。」ランディスはそう呟くと、自らにDIOSを唱える。セイバーとバルバスも瀕死となりながらも、次の攻撃で屍竜を屠り、ドラゴンの鱗を手にすることに成功した。

 僧侶グレッグ、ゴチ、そしてランディスの3人はいずれも、ブリタニアでは大いなる大地の蛇の修道会というギルドに属する宣教師でした。大いなる大地の蛇の修道会とは、Ultima Onlineの出雲シャードに実在したRP宗教ギルドで、善と悪、秩序と混沌といった二律背反する戒律の調和を重んじるグレート・アース・サーペントを崇めることを旨としていました。ソーサリアでは、IIIでエクソダスとともに海に沈んだサーペント島の守り神であり、VIIのpart2で古代サーペント島で信仰された秩序の蛇と混沌の蛇の調停者という性格付けがなされたグレート・アース・サーぺントですが、その中庸を是とする性格と大地を守護する竜神という特徴からエセルナートの聖都リルガミンで信奉された中立の守護者、エル・ケブレスと同一の神とみるのが大いなる大地の蛇の修道会の公式見解でした。同時期に誕生したRPGの始祖ともいえるUltimaとWizardryですが、その世界観には意外に共通点が多いです。
 そしてこの外伝IIIで登場するドラゴンゾンビは、かつてのエル・ケブレスではないかとプレイヤーに思わせたい節がありますが、商人に化けてアガンに呪いの仮面を被らせるなど余りに小物ぶりが目立ちます。そこで私としては、外伝IIのスケイリーエンプレスと同列に見てパーシャル・サーペントの一種だったという見解を持ちたいと思います。もっとも、明らかにカオス属性のスケイリーエンプレスとは違い、明らかにカオス属性のアガンに敵対していたことからオーダー・サーペントだったのかも知れません。
2009-11-03 | 記事へ | コメント(2) | トラックバック(0) |
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2009年09月05日(土)
闇の聖典: 暗中模索
 南の洞窟で遭難した第三パーティーの消息を探るジェルジス、セイバー、バルバスの三人だったが、遭難地点はなかなか判明しなかった。上層階でならぎりぎり戦えるが最下層である地下6階の敵には適うはずもない。運がよければ敵に合わずにエレベーターを使って最下層まで行けるが遭難地点をはっきりとは覚えていなかった。また体力の回復手段がないため、地下6階に到達するまでに一度でも戦闘があれば、捜索を打ち切って帰還しなければならない。運良く地下6階まで到達できたこともあったが、そこには物凄い水圧によって内側から押さえられた石の扉が進入を阻んでいた…。

「もうこれは、駄目だろう。」傭兵のバルバスが弱音を吐いた。
「いや、だめだ、ロザリンド様を救うまでは。」セイバーはまだあきらめない。

 何度目かの捜索を打ち切り、地上に帰還しようとしていたところ、地下1階でまたしてもレディーウォーロックの4人の集団に遭遇した。セイバーとバルバスが一人ずつ倒したが、残る2人が連続でLAHALITOを唱えてきた。体力回復をしていなかったこともあり全滅した…。


………


 地下6階某所にて全滅した第三パーティー、ベルリオース、フォルカス、ロザリンド、ゴチ、ホークウィント。彼等の遺体は、水中にあった。この階層は、主であるドラゴンゾンビが生きている間は、その霊力によって水で満たされおり、それによって侵入者が宝珠に到達することを防がれていた。ドラゴンゾンビを倒しその霊力の源である竜の鱗を掲げることによって、この水を引かせなければ、この階層へ侵入することはできない。しかし、竜の鱗を持っていた第三パーティーが全滅した今、竜の鱗は失われ迷宮の主は復活を遂げていた。そのためにこの階層には再び水が満たされていたのだ。
 そのこともあってこの階層の魔物の大半は大型の水棲生物である。彼等も腹が減って仕方がなければ死肉を食う事もある。一匹のサーペントが目の前に漂ってきたゴチの遺体を飲み込んでしまった…。


………


 訓練所の登録メンバーに欠員ができた。その空きを埋めるように一人の男がリルガミンから転生を果たした。

Elf-M-Pri-E ランディス♥
 ブリタニアでは、ゴチの後任として派遣された大地の蛇の修道会の僧だった。今回も消失したゴチの後任としてリルガミンから転生を果たした。

 

 ついに訓練所に登録されていたキャラクター20名は全員死亡状態となってしまいました。本来ならこの状態は「積み」とすべきでしょう。だがここまできて諦めたくはありません。僅かな希望としては、三人組の全滅地点が南の洞窟地下1階の通路だということです。運さえ良ければ戦闘することなしに遺体の回収が可能です。なので1名でも行動できるキャラクターがいれば何とかなるかもしれません。この三人組で苦労したのは僧侶がいなかったことです。ならば新しく転生させるキャラクターは僧侶がいいでしょう。となるとリストラの対象は、第三パーティーの僧侶であるゴチということになりました。
2009-09-05 | 記事へ | コメント(6) | トラックバック(0) |
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2009年08月29日(土)
闇の聖典: ある騎士の決断
 ベルリオースに率いられた新第三パーティーは、南の洞窟の古代神が取り戻していた宝珠も再び手に入れた。探索の進行に伴い不必要になる鍵などのアイテムを無事に保管しておくことがベアトリクス達から託された第三パーティーのもう一つの目的だったからだ。その目的を達してもなお、彼等は修業と強力な武具の探索を兼ねて南の洞窟地下6階を歩き回っていた。金銭的には余裕が出てきたが、できれば近衛兵の力を借りずに山脈に残された悪パーティーの遺体の救助を行う実力をつけたかったからだ。修業の場としては前回全滅を喫したダンスホール付近や山脈の麓のフィールドも考えられたが、ピーコックやヘルガードといった強力なブレスを持つ敵の危険性を考慮し、この洞窟で修業を続けることにした。

「蟹1とミミズ5!奇襲!」と先頭の野伏フォルカスが叫んだ。

 ジャイアントクラブとジャイアントワームに奇襲を受けた。ジャイアントクラブはその巨大な鋏を振り回しこちらの首を刎ねてくる危険な敵だ。しかもその固い殻は、ほとんどの呪文を通さず、物理攻撃もなかなか当たらない。おまけに次々と仲間を呼んで増殖する。この洞窟に現れる敵の中では間違いなく一番強いだろう。

 巨大な鋏がパーティーを襲ったかと思うとベルリオースのオレンジの髪に包まれた頭部が宙を踊った。パーティーの支えでもある彼女の一瞬での絶命に動揺が走る。

「踏み止まれ!蟹はたった一匹!ベルリオースの仇をとります!」

 ロザリンドが叫び長槍を構える。我に返った他の者達も、それぞれの役割を思い出した。ゴチのLABADI成功に希望を見出したのも束の間、フォルカスの矢がジャイアントクラブに届く前にもう一匹ジャイアントクラブが現れた。ギレットのMORLISに助けられながらロザリンドとフォルカスが叩きまくりなんとか蟹を倒しきったが、その間にジャイアントワームが次々と毒攻撃を仕掛けていた。LATUMOFISを唱えようとするもロザリンドとゴチの解毒呪文の使い手二人が先に倒れてしまう。フォルカスがKANIQUAとDALQUREAを重ねてジャイアントワームを何とか倒そうとしたが、意外にしぶとかった。最後のジャイアントワームが倒れたのと最後に残ったフォルカスに毒が回りきったのは、ほぼ同時だっただろう。逃げていれば全滅は避けれたのかもしれないが、フォルカスは、敵も倒れたことに満足して息絶えた。

………

 居残り組の戦士三人は、すぐに行動に移った。ベルリオース達が修業の場にしていた南の洞窟地下6階へは運がよければエレベーターで敵に出会わずとも到達できる…、はずだったが、地下2階に下りたとたんにレディーウォーロック4人の部隊に遭遇した。

 襲い掛かるLAHALITOの火炎に体力が低かったセイバーが倒れた。続くTZALIKの雷撃に三人の中でもっとも体力のあったバルバスも打ちのめされる。次々と倒れる仲間を前に何とか冷静さを保ったヴォルカノは二人の遺体を引き摺り一目散で逃げ出した。なんとかダリア城下にたどり着き、寺院にセイバーとバルバスの遺体を預けたヴォルカノだったが、彼は本当に孤独になっていた。訓練所に登録されている冒険者で生き残っているのは、彼一人。修業の進んでいない戦士一人では、体力の回復には宿屋に泊まるしかない。宿屋に泊まるには金が必要だが、戦士の彼が宝箱に触れるのは危険すぎる。自らの宿代にも苦慮する彼が、セイバーとバルバスを蘇生し、再び新第三パーティーの救助に向かうのは永遠に不可能に思えた。

「ロザリンド様、今の私ではあなたをお救いすることはできそうにありません。」

 悩んだ末に、ヴォルカノは自分の登録を抹消し、代わりに別の者を召喚することにした。簡単に死なない体力と資金を調達できる能力を持つ者ということで白羽の矢が立ったのは、アルマールで活躍していたドワーフ盗賊ジェルジスだった。

 ジェルジスは期待に応えて無事セイバーの蘇生費を調達した。二人になってからは順調に戦闘をこなし、なんとかバルバスの蘇生費も稼ぎ出すこともできた。こうして戦士二人に盗賊一人で南の洞窟地下6階に救助に向かうことになった。

新登場人物紹介

Dwa-M-Thi-E ジェルジスA
 ブリタニアでは諜報機関「大公の手」の局長を務めたジェルジンスキーことジェルジスは、悪の盗賊として召還された。
2009-08-29 | 記事へ | コメント(3) | トラックバック(0) |
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2009年08月21日(金)
闇の聖典: →冒険を再開する
 随分と更新をサボってしまいました…。この当時どんな状態だったのか思い出すのも一苦労ですが、一応控えていたメモを見ながらとりあえず状況を確認してみます。

善パーティー 全滅(山脈3Fで*石の中*)
 N-Hum-F-Nin→Ran: スカーレットA 死亡
 N-Dwa-M-Fig: タケルフA 死亡
 G-Hum-M-Lor: ナルシヴァルA 死亡
 G-Gno-M-Pri: グレッグ♥ 死亡
 N-Hob-F-Thi: レダA 死亡
 G-Elf-M-Mag: バイロンA 死亡

 善パーティーは、山脈4Fでテレポーターの罠にかかり、恐らく山脈3Fの岩ブロックの中に実体化して全滅しました。外伝IIIの仕様では、石の中の全滅で死体は寺院に送還されますが、今回のプレイでは実体化したと思われるフロアの全ての岩ブロックをCALKOしない限り救助はできないという縛りを科しています。

悪パーティー 全滅(山脈3F)
 N-Hum-F-Val: ベルリオース 死亡→遺体回収→第三パーティーへ
 E-Liz-M-Fig: モホーク 死亡
 N-Raw-M-Sam: ャストキ 死亡
 E-Dra-F-Bis: ベアトリクス 死亡→遺体回収→蘇生→再遭難
 E-Fae-F-Bar: キリー 死亡
 N-Moo-M-Alc: オデッサ 死亡

 山脈3Fで善パーティーを捜索中にブロブアイの集団に遭遇して全滅しました。ギレット達が一度ベアトリクスを10000G払って救助しましたが、ベアトリクスは単独で山脈に救助に向かい誤って隣の玄室に踏み込んでレッサーデーモンに殺されてしまいました。その後、再び10000Gを貯めたギレット達によって今度はベルリオースが救助されました。

第三パーティー 全滅(ダンスホール)→救助成功
 G-Elf-F-Bis: ギレット 死亡→救助→蘇生
 G-Hum-M-Pri: ゴチ 死亡→救助→蘇生
 E-Hum-M-Thi: ホークウィント 死亡→救助→蘇生
 N-Liz-M-Ran: フォルカス 死亡→救助→蘇生
 E-Dwa-M-Fig: バルバス 死亡→救助→蘇生

 善パーティーの控え2人とと悪パーティーの控え2人が力を合わせさらに傭兵の雇って結成されたのが第三パーティーとなりました。彼らが墓場で稼いだお金によって救助されたベアトリクス、またはベルリオースが引率する形で、各種キーアイテムの回収や、山脈への救助隊派遣決行に向けた強化訓練に励んでいましたが、無理な訓練が祟りダンスホールでピーコック相手に全滅を喫しました。幸い玄室ではなかった為、ロザリンド達に無事救助されました。

第四パーティー
 N-Hum-F-Val: ロザリンド
 N-Hum-M-Fig: ヴォルカノ

 G-Hum-M-Fig: セイバー

 第三パーティーの全滅を受けて召還された彼らですが、第三パーティーの復活後、戦乙女の実力を見込まれロザリンドが第三パーティーに加わり、傭兵戦士バルバスが控えにまわることになりました。

新第三パーティー
 N-Liz-M-Ran: フォルカス
 N-Hum-F-Val: ベルリオース
 N-Hum-F-Val: ロザリンド
 G-Hum-M-Pri: ゴチ
 E-Hum-M-Thi: ホークウィント
 G-Elf-F-Bis: ギレット

 その結果第三パーティーはPri呪文詠唱者が3人とかなり防御に特化することになりました。司教ギレットはまだ覚えるのが遅いために数に入りません。しかし、Mag呪文詠唱者が、その司教ギレットしかいないというのが最大の懸念材料ではあります。10000Gずつ稼いで悪パーティーの遺体回収を依頼することもできますが、この新第三パーティーが回収にいけるだけの実力をつけさせることを目標にしたいと思います。さて、どうなりますことやら。
2009-08-21 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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2009年04月19日(日)
闇の聖典: 救世主の少女
 誰も居なくなったはずのダリア城城下町に三人の男女が現れた。高貴な雰囲気を漂わせる少女一人にそれに従う男性の従者が二人。

「本当にこの時代、この場所であってるのかしら?」
「姫様、タイムロードの言ったことが正しいのならそのはずです。」
「とりあえず、この街の酒場に行って情報収集しましょう。」

 少女の名はロザリンド。実は彼女、ブリタニアにおいて結婚していたナルシヴァルとギレットの娘である。彼女を警護するためについてきたのは、ヴォルカノとセイバーという二人の騎士だ。3人は酒場で情報を仕入れるとすぐに行動に移った。装備を整える間もなく前回ベルリオース達がピーコックに襲われたダンス会場入り口まで3人で向かい、司教ギレット、戦乙女ベルリオース、野伏フォルカスの遺体を回収してきたのだ。さらにその足で僧侶ゴチ、盗賊ホークウィント、戦士バルバスの遺体も回収した。

「お母様達が倒れていたがの魔物が必ず現れる部屋でなくてよかったわ。」
「全員の遺体から回収した金額を合わせると二人は蘇生できそうです。」
「では、まずお母様とあと戦乙女の人をお願いしましょう。」
「戦乙女は高レベルのため蘇生料金が高いそうです。」
「あらそうなの。ではあの野伏さんにしましょうか。」

 こうしてまず、ギレットとフォルカスが蘇生された。彼らは、一度全滅したことにより預かっていた鍵などのアイテムを失っていたため、それらを再び集めつつ、ロザリンド、セイバー、ヴォルカノの鍛錬をするために墓場、寺院、商店街と順番に探索をすることにした。Lv1でいきなりマーフィーズゴーストに挑みロザリンド、セイバー、ヴォルカノが揃って死亡という事故も起こしつつも徐々に資金もたまって、僧侶ゴチ、盗賊ホークウィント、戦士バルバス、そして戦乙女ベルリオースと順に蘇生されていった。

 最終的に第三パーティーは、三人の戦士を控えとして、前衛が、野伏フォルカス、戦乙女ベルリオース、戦乙女ロザリンド、後衛が僧侶ゴチ、盗賊ホークウィント、司教ギレットとして、ようやく南の洞窟まで到達した。この南の洞窟からが、いよいよ探索の本番だが全僧侶呪文を習得しているベルリオースを軸とすることで浅い層では、比較的安定的な戦いができる。しかし、地下5階まで到達するといよいよあの悪魔が現れだす。

 レッサーデーモン。錬金呪文のMATOKANIさえ覚えれば一瞬でチリとなる雑魚だが、そうでなければ、高い守備力と呪文抵抗性により倒し辛いのに次々と仲間を呼び増殖して集団でMADALTOを唱えてくる難敵だ。この第三パーティーではまだMATOKANIを使える者がいない。そんな状態でついにこの小型悪魔に遭遇してしまった。フォルカスのNOFISの前に発動したベルリオースのMABALIKOは簡単に弾かれ、反撃のMADALTOによって、体力の低い後衛の3人にロザリンド、直前の戦闘での傷を癒して忘れていたベルリオースまでが倒れた。偶然呪文を無効化できたフォルカスだけが生き残って逃げ出し、悪魔の胸当てを頼りに街まで帰還したこともあった。

 だがそんな彼らもついに洞窟の主のところにたどり着いた。この国の神を名乗るドラゴンゾンビは、この世界は一度滅ぼさねばならぬと語り襲い掛かって来たが、ベルリオースのMABARIKOを頼りに応戦した。ジャイアントゾンビのブレスにホークウィントが倒れたが、なんとか龍の鱗を手にしたのだった。


新登場人物紹介

N-Hum-F-Val: ロザリンド
 ブリタニアの未来から父母の危機を感じ時空を越えてダリアにやってきた。

N-Hum-M-Fig: ヴォルカノ
 ブリタニアでの烈火の騎士は姫の護衛としてダリアに随行した。


G-Hum-M-Fig: セイバー
 ブリタニアでの銀雲の騎士も姫の護衛としてダリアに随行した。



 外伝シリーズのキャラクター登録枠は20人。うち17人は死亡中ですから、これで枠いっぱいですね。この絶対絶命の状況を打開するにはと考えた結果、この人の登場となりました。本当は女性君主にしたかったんですが、いきなりは作れないのでそれに一番近い戦乙女にしました。それにしても、全滅地点が玄室でなくてよかったです。いくら救世主でもLv1で*ダンス会場*の敵には勝てませんからね。
2009-04-19 | 記事へ | コメント(3) | トラックバック(0) |
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2009年04月12日(日)
闇の聖典: 戦乙女の特訓
 司教ベアトリクスが再び消息を絶ち、野伏フォルカス達は行動を初めた。必要なのは10000Gだ。それさえあれば近衛兵に誰かの遺体を収容してもらえる。彼らは、ただ金を得ることを目指して墓場を荒らしてまわっていた。いつか罰が当たるかもしれないなどと気にしている余裕はない。彼らのレベルが7に届く頃、ようやく10000Gが貯まった。

 そして、寺院にまた一人の遺体が運び込まれた。今度の遺体は、人間の戦乙女ベルリオースだった。

「ここは… ヴァルハラ… では、ないようですね。」
 ベルリオースも無事に蘇生され、状況説明を受けた。そして彼女を中心として居残り組の強化を図り、山脈への救助隊を編制することになったのだ。

 だが、ベルリオースは、一人だけ蘇って焦っていた。こうしている間にも仲間達の誰かの遺体が消失するかもしれないと思うと仕方のないことだ。墓場ではもう敵の強さが十分でないと判断し、すぐに寺院へと訓練の場を変えた。それでもまだ足りないと感じていた。

「フォルカス様、そんな太刀筋では敵に見切られます。もっと工夫して下さい。」
「バルバス様、力任せに振り回せばいいというものではありません。」
「ゴチ様、あなたが麻痺を受けてどうするのです。私がいなければDIALKOが唱えられるのは貴方だけなのですよ。」
「ホークウィント様、なにもすることがないなら隠れて攻撃に参加してください。」
「ギレット様、KATINOのタイミングが遅すぎます。もっと詠唱術式を早く完了させてください。」

 そこで彼女は、山脈へと続く通路の途中にあるダンス会場とよばれる玄室の立ち並ぶ場所に連れていった。そこは、野外では最強クラスの敵が現れる危険な場所だが、その分そこでの戦闘経験はギレット達居残り組大きな力となる。それにベルリオースは既にMABARIKOという僧侶系最強の全体攻撃呪文を覚えていたため、それさえ唱えれば大概の敵に勝つことができる自信もあった。

 ゼノやレンジャーなどとわたり合い、そろそろ一度帰還しようとダンス会場の入り口に立った時、突如ピーコックの集団に襲われた。しかもこちらが気づくまえに攻撃を仕掛けてきた。いきなりブレスを受けてギレット、ホークウィント、ゴチが倒れてしまう。虫の息ながらも命を永らえていたフォルカスとバルバスも次の個体のブレスを受けて倒れた。

 あっという間に一人となったベルリオースは決断を迫られた。彼女だけでもこの場を逃げ出すか、それとも戦うか。逃走に失敗すれば、一方的に攻撃を受けることになり彼女の命も危うい。LOKTOFEITを使うという手もあるが、ここまで犠牲を出しておきながら逃げ出したならこの戦いは無益だった事になってしまうだろう。そう考えた彼女はMABARIKOを唱えることにした。彼女だけでも勝利できれば、この戦いは無駄にはならない。

 しかし…、彼女が呪文の詠唱を完成させる前に、一羽のピーコックの鋭い嘴が彼女に迫る。そのまま心臓を射抜かれたベルリオースは絶命した。

 いやぁ、また全滅してしまいました。いくらMABARIKOを覚えたLv18の戦乙女が1人いるとはいえ、残りの者のレベルが8そこそこでのダンス会場でのレベル上げは無謀でしたね。
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2009年04月08日(水)
闇の聖典: 魔女の復活
「迷宮内で死んでしまった仲間を探して欲しいのかい?代わりに10000Gで1人の遺体を探してクスト寺院まで運んでやるが。」

 ギレット達は、王の近衛兵に10000Gを支払い、山脈のどこかに存在する遺体の回収を依頼した。そして程なくして1人の遺体が寺院に担ぎ込まれたとの報せを受けた。

 遺体は、ドラコン司教ベアトリクスのものだった。幸い彼女の装備の殆んどは無事であり、現金も持っていたため、それを使って蘇生料金を支払うことができた。

「囁き … 祈り … 詠唱 … 念じろ!」

 ギレット達の見守る中、ベアトリクスの顔に生気が戻り薄っすらと目を開いた。蘇生直後で体力は衰えたままだったが、仲間であるフォルカスとホークウィントの顔を見止めると彼女は自分の状況を一瞬のうちに悟ったようだ。

「ホーク、フォルカス。どうやら手間をかけてしまったようだね。」
「ベアトリクス、俺がいるからもう大丈夫だぜ。お前をこんな目に遭わせた奴はどんな奴だ?」
「あぁ、例のブロブアイさ。もうちょっとで勝てそうだったんだけどねぇ。」

 僧侶呪文と魔術呪文を使いこなし、強力なブレスもあるベアトリクスが加わることでこの即席パーティーも格段に強化された。彼女のお陰で遭難地点はほぼ判明したため、あとは全員が十分な力をつければ、近衛兵の世話にならずとも残りの者達の救助ができるに違いないと判断し、とりあえず修行をすることになった。

「そうだね、お前達の修行は、あの幽霊に頼むとしようか。」といってベアトリクスがギレット達を連れて行ったのは墓場の北にある賢者ムロンの隠れ家だった。その前にある墓に取り付く幽霊は倒しても直ぐに復活してくるので何度でも戦うことができるのだ。初めは、ベアトリクスのブレスに頼って倒していた彼らだったが、直ぐにMORLISを唱えてからならフォルカスとバルバスだけでも倒せるようになっていた。

「お前達は、もう十分やっていけそうだね。」

 ベアトリクスが何気なく言ったその言葉に何か違和感を感じたホークウィントだったがその場では何も問うことはしなかった。しかしその時、ベアトリクスはある決意を固めていたのだ。実は彼女達の遭難場所は、山脈3階の魔物が必ず現れる部屋(いわゆる玄室)ではなく、扉に隔てられてはいたが運さえよければ魔物と戦わずとも到達できる部屋だったのだ。ある日、ベアトリクスは、商店に売れ残っていたルビーのスリッパを買うとたった一人で山脈に向かった。

 エレベーターまでは順調に到達し、3階へと昇った。遭難地点は確か北東の隅のほうの部屋だったと記憶を確かめながらベアトリクスは一人歩を進める。そしていよいよここと思う扉の前に立った。大丈夫、魔物は出ないはず、モホーク達の遺体を回収してこのスリッパで街に帰るだけ、と自分に言い聞かせ扉を開いた。

 だが、予想に反して部屋に入ったとたんに魔物が立ち塞がった。レッサーデーモンの集団だった。オデッサのMATOKANIさえあれば一瞬でチリになる低級な悪魔だったが、今たった一人のベアトリクスの前には集団でMADALTOを唱えてくる危険な敵だった。だが彼女はドラコン故に敵に背を向けることはできない。即座にルビーのスリッパに手をかけたベアトリクスだったが、思いなおしCORTUを唱える。それで呪文を無効化できる可能性が上がるはずだった。しかし…、8体のもレッサーデーモンの唱える呪文を全て無効化はできず、さらに司教装備が薄いという弱点をつかれ物理攻撃によって大きな傷を負わされてしまった。

「大丈夫、あの者達は私なしでもやってくれる。」ベアトリクスは、遠のく意識の底でそう思いながら息絶えた。

 すいません。幾ら後付けで脚色してもこれはプレイヤーである私の完全なミスですね。いくらHPが高くて一撃必殺のブレスを持っていても、使える呪文が中途半端で、逃走不可能なドラコン司教一人での救助は無謀すぎました。フォルカス達のレベルが上がるのを待ちきれなくなって救助を1回で片付けようと運頼りに一人で救助に向かってしまったというのもアレなんですが、実はモホーク等の遭難地点は隣の部屋で今回ベアトリクスが入った部屋は玄室設定されている部屋だったという何ともベアトリクスには申し訳ない失態でした…。
2009-04-08 | 記事へ | コメント(5) | トラックバック(0) |
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2009年04月05日(日)
闇の聖典: 残された者達
 ナルシヴァル一行にもベアトリクス一行にも、それぞれの留守を預かる仲間がいた。ナルシヴァル達の留守番組は、エルフ司教のギレットと人間僧侶のゴチ。ベアトリクス達の仲間には、既に名前の挙がっているリズマン野伏のフォルカスと人間盗賊のホークウィントがいた。彼らは、実際に冒険に出ることは殆んどないが、遠征組が持ち帰った宝物を預かったり、鑑定したりして探索の支援をしていた。
 
 ナルシヴァル一行が山脈4階の探索に向かってから5日過ぎても戻らないということをギレットからベルリオースがきいたのは5日前だった。通常探索行の日程は、スペルユーザーの呪文の残数と持ち歩けるアイテム数によって決まる。初期の探索では十日以上戻らないこともあったが、山脈に到達してからというもの一戦一戦が総力戦ですぐ呪文残数が尽きることから一度の探索が3日以上になることは稀だった。何かあったに違いないとベアトリクス達が捜索に向かったのが5日前になる。しかし、そのベアトリクス達も帰ってくる気配がない。酒場に残された4人は相談を始めた。

「これはベアトリクス殿達も…ですかね。」とギレットが鎮痛な面持ちでつぶやくと、
「いよいよ俺達の出番って訳だな!」と妙に明るくホークウィントが言い放つ。
「俺は準備できてるぜ。」と預かっていた古代の剣の鞘を弾くフォルカス。
「ウムリ。」とゴチも頷く。
 この仲間が力を合わせればあるいは、と考えたギレットだったが救助に行くには相当の実力をつけねばならないことが心配の種だった。

 だがその心配は直ぐに払拭された。ダリア城を出て直ぐの場所に衛兵の詰め所がある。そこに駐屯している衛兵は王に付き従って山脈まで随行したこともあるほど腕の立つ者達で、金さえ払えば遺体を迷宮から回収してくることぐらいは請け負ってくれるというのだ。ただし、王国の正規兵でない冒険者の回収には1人あたり10000Gを徴収するという。生憎とギレット達居残り組は現金は全く預かってはいなかったので、それは自分達で稼がねばならない。Lv1の4人が稼ぎ上げるのは、それほど容易いことではないが、錬金呪文を使いこなす前衛職の野伏、回復役の僧侶、宝箱の罠を解除する盗賊、入手したアイテムを鑑定する司教と最低限の人材は確保されていた。

 早速、資金稼ぎをはじめた彼らだったが程なくその自信は砕かれることになった。ロックという巨鳥がいる。その攻撃は受けたものを一時的に昏睡させるほど強烈なものだ。大抵3羽で襲い掛かってくるこの鳥の攻撃を受けてホークウィント、フォルカス、ゴチの前衛を受け持った3人は一度ならず死を味わった。せめてロックを一撃で屠る力のある前衛がもう1人欲しい。

「よう、お前さん方、苦労してるようじゃねーか。腕利きの傭兵を雇ってみねーか?」

 酒場でそう声をかけてきたのは立派な髭を蓄えた壮年のドワーフ戦士だった。バルバス・フォルと名乗ったその戦士を加えて5人となった彼らは、ようやくロック鳥や墓場のフライングティースともまともに渡りあえるようになり、順調に資金稼ぎができるようになった。彼らのレベルが5になった頃、ついに資金が10000Gを超えた。

新登場人物紹介

G-Elf-F-Bis: ギレット
 ブリタニアではナルシヴァルと結婚し、大公夫人となった彼女、エルフの司教としてダリア遠征にも随行していた。

G-Hum-M-Pri: ゴチ
 ブリタニアでは、大地の蛇の修道会からマティアス大公国に派遣された宣教師だった。人間僧侶としてダリアにも派遣された。


E-Hum-M-Thi: ホークウィント
 ブリタニアでは海賊あがりの盗賊として名を馳せた。ベアトリクス達のチャームの仲間としてダリアに呼び出されていた。


N-Liz-M-Ran: フォルカス
 ブリタニアではモホークの起こした戦士ギルド「狼の牙」に加わっていた弓戦士。得意の弓を生かしダリアにはリズマン野伏として登場した。


E-Dwa-M-Fig: バルバス
 ブリタニアではセレスティア王国に雇われたこともある傭兵戦士。モホークのギルド「狼の牙」に加わっていた縁もあり、今回ダリアにもドワーフ戦士として呼び出され傭兵として雇われることになった。
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2009年03月28日(土)
闇の聖典: テレポーター
 ナルシヴァル達は山脈3階を探索したが、中央部への進入路を見出せず、仕方なくエレベーターでこの広いドーム状の空間が広がる山脈4階まで登って来たところだった。広い床のあちこちに穴が点在しており、そのいくつかは墜ちるとダメージを受けるだけのピットだが階下まで落ちてしまうシュートもある。山脈3階の中央部にはこれらのシュートを使って降りることが出来るようだ。LITOFEITを唱えている間は落ちることはないので、予めそれぞれの穴がピットかシュートかを地図に書き記し、後でLITOFEITを解除してシュートだけに落ちてみるという方針を建てた。しかし、この広大なドームにも所々魔物が出現するポイントが点在するためそう簡単には探索は進まない。しかもこのフロアに出現する魔物はさらに凶悪さを増している。
 何度か危ないところでルビーのスリッパで逃げ帰っているうちに商店のルビーのスリッパの在庫は尽きてしまった。当然のようにナルシヴァルとグレッグのLOKTOFEITも忘却済みだ。ルビーのスリッパを仕入れるために何度か南の洞窟へも足を伸ばしてはいるが、欲しい時ほどルビーのスリッパは出ない。

 突然、目の前に炎が立ち上り巨大な姿が行く手に立ちふさがった。その足元には無数の眼が這い回っている。ファイアージャイアントとブロブアイの集団だ。この山脈4階でも最強最悪の魔物集団に遭遇してしまったと言ってもいい。ナルシヴァル達はわき目も振らずに逃げ出した。逃走に成功したのは僥倖と言わざるを得ない。

「恐ろしいな…。あのブロブアイにファイアージャイアントまでというのは。」とナルシヴァルがつぶやく。
「ファイアージャイアントのブレスをまともに受けたらレダとバイロンは持たないでしょうね」とタケルフがそれに答えた。
「幸い今は逃走には成功したが、逃げ遅れたらまたこの間のように…。」
「もはや出会わないよう祈るしか手はないでしょう。」

 運を天に任せての探索が続く。マカラとサッキュバスというこのフロアでは比較的与し易い魔物を倒したところ宝箱が出た。ホビット盗賊のレダが早速罠を調べ始めた。

「テレポーターっぽいね。」
「まぁ、飛ばされたとしてもこのフロアならどこへ飛んでも直ぐ戻れるな。」
「中央の岩の柱の中だったら?」
「さっきのCALKOによるとあの内部には空間があるみたい。」
「それなら寧ろこの正解シュート探しをショートカットできるかもしれん。」
「でも、わざと引っかかるってのはちょっと…。」
「それもそうだ。普通に解除してくれ。」
「じゃ、いくよ。」

 カチリという音とともに宝箱の蓋が開く。それと同時に目の前の空間に歪みが走る。直後、視野は闇に覆われ、体には信じられない重圧がかかった。

  *いしのなかにいる*

 死の直前、その事実だけ認識してスカーレット、タケルフ、ナルシヴァル、グレッグ、レダ、バイロンの6人の冒険者は岩に同化した。

 前回のプレイでこの山脈4階には岩のブロックはないことは知っていたのですっかり油断していましたが、テレポーターの罠で飛ばされるのは同フロアとは限らないようですね。実は、リセット封印プレイを始めてから、初めての*石の中*です。リセットをしていた時代でも一度あったかなかったかぐらいでしょうか。非常に貴重な体験ができたと思います。外伝の仕様では全員の遺体はそのまま寺院に送られるだけなのですが、今回はこの体験を活かして全員消失扱い、と言いたいところですが、やっぱりヌルい私の場合は、悪のパーティーのほうで飛ばされた先であろう山脈3階の全てのマップを埋め、全ての岩ブロックをCALKOで調べつくすことができたら救助できたことにして復活させることにします。
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2009年03月20日(金)
闇の聖典: 忌まわしき眼
 その後、南の洞窟でこの世界を統べる神を名乗る龍を屠ったナルシヴァル達は、ついに洞窟の最深部に安置されていた宝珠を持ち帰り王に献上した。王は、宝珠を受け取るや否や僅かな報酬をナルシヴァル達に下賜すると山頂にある呪いの城に攻め込んだ。城の執事は王の後詰として山脈を登り王を支援するようにと彼らに要請した。そのことをきいたベアトリクス達は、同様に持ち帰った宝珠を王に献上せず彼らの仲間のホークウィントとフォルカスに預けた。彼女達の元々の目的は、王の要求を満たすことではなかったのだ。

「あの人達が先にあの扉の鍵を開けてここまで来てくれたおかげで簡単に来れるようになったねー、ニシシ。」とフェアリー吟遊詩人のキリーが笑った。
「お前がやったときは何十回やっても開かなかったのにな。」後ろを歩くムーク錬金術師のオデッサが言う。

 ナルシヴァル達が山脈に向かったのを知り、ベアトリクス達一行も山脈の探索に乗り出した。彼らの目的の1つは、この先に住む強力な魔物たちが隠し持つ武具の数々を手に入れることだった。山の内部にくりぬかれた回廊を歩き、幾度かの戦闘を経た彼女達は、この山脈2階の魔物の手強さに確かな手答えを感じていた。

「では、この玄室の扉を開けます。」先頭を歩く戦乙女のベルリオースが扉に手をかけ持つ長槍を構え直した。一瞬の緊張の後、彼らが扉の向こうに見たものは…

 無数の眼だった。夥しい数の眼が明滅を繰り返していた。それも2つずつ揃っている普通の生物の眼ではない。奇怪なスライム状の生物の体の随所に無作為に大小様々な眼が開いたり閉じたりを繰り返していた。

「いかん…ブロブアイだ!逃げろ!」初めて遭遇した魔物だったが、LATUMAPICとベアトリクスが持つ前世の記憶がその魔物の正体を彼女に告げ、今の時点でその魔物と戦うのは危険だと警鐘を鳴らしたのだ。

 幸いなことに此方に気がついている様子はない。彼らは急いで玄室の扉を閉めて立ち去ろうとした。しかし…、慌てて逃げ出そうとした彼らが返って魔物の注意をひいてしまったのか、無数の眼が一斉に此方を凝視してきた。もはやそれは一方的な殺戮であった。8体いた魔物が次々に魔法とブレスを放つ。最後まで諦めず逃走を図っていたモホークも力尽き、やがて玄室の床には六つの骸が横たわった…。

 数日後、彼らの遺体はナルシヴァル達により寺院に運びこまれ、蘇生の儀式が行われた。しっかりと前回の恩を返したナルシヴァル達は、無事に蘇ったベアトリクス達の信頼を勝ち得、以後二つのグループの協力体制は強まったという。

 敵がこちらに気がついていないのに逃走に失敗するってのは酷い話です。五つの試練では、向こうが気がついていない時は確実に逃走できたと思うんですけど。
 バイロンがLv14になったらMALORを覚えてくれるだろうと期待していたんですがLv13で覚えたMAWXIWTZとMAHAMANから増えてくれず諦めて強硬救助しました。幸いブロブアイは出ませんでしたが、ナルシヴァルがサッキュバスにドレインを食らい思わずルビーのスリッパを一個消費してしまいました。私、レベル上げのためだけに戦うのが苦痛なもので…。
 ちなみにその後ナルシヴァル一行も山脈3階でブロブアイに全滅させられてベアトリクス達に救助されました。前回のプレイではこの後山脈で何十回と全滅させらました。MALORを使える者が一人ずついれば全滅に対して不感症になってしまうのでMALORが使えないうちに全滅を体験できてよかったです。(とか言ってるとさらに大変なことが起こってしまうのですが。)
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2009年03月06日(金)
闇の聖典:黒と白
「あら、先を越されたようですわね。」

 ドラコンの司教ベアトリクスは壁にぽっかりと開いた穴を見てそう言った。彼らもまた城の執事の依頼を受けこの洞窟に王に呪いをかけた者を探しにきている冒険者だ。昨日ついに3つ目の金のメダルを手に入れたところだった。
 穴の奥にあったエレベーターを利用して各階を調べてまわる。地下3階と地下4階は特に何もなく、最下層の地下6階では鍵穴もなく押してもびくともしない石の扉に行く手を遮られておりそれ以上は進むことはできなかった。結局、先に進めそうなのは「白と黒に別れた部屋」という札のある地下5階のみである。

「なんだ、ここは!」

 ラウルフ侍のャストキが叫んだのは、前回、ナルシヴァルたちが遭難した地帯に踏み込んだからだ。一歩ごとに現れるダークゾーンとそのダークゾーンに仕掛けられた回転床。探索者を惑わす罠としてこれ以上のものはそうはないだろう。幸いこのベアトリクス達のパーティーの場合は、Lv1の魔術呪文をであるDUMAPICを唱えることのできる者は、侍のヤストキ、司教のベアトリクス、吟遊詩人のキリーと3人もいたため、完全に道に迷うことはなかった。

 先頭を歩いていた戦乙女ベルリオースが皆を制止した。何人かの人影がダークゾーンに囲まれた空間に円陣を組んで座っていた。これは冒険者が迷宮内で安全に休息を取るために行うキャンプという行動であり、魔物がそのようなことをすることはなかった。そのうち何人かは生きているのか死んでいるのか石床に横たわっていた。

「む、お主等は…。」

 道に迷い、仲間も倒れ途方に暮れていた戦士達が近づく冒険者に気がついたようだ。そのうち人間の君主が、こちらに声をかけてきた。

「すまない。この忌々しい場所で道に迷ってしまった。仲間も倒れてもはや無事に帰れるあてもない。どうか我々を街まで運んでくれないだろうか。もちろん、相応の報酬もしたいと思う。」

「こいつら、俺達より先にここにいたってことは、ライバルだよな?助ける必要ないんじゃねぇか?」と悪の兜を被ったモホークが後ろを振り返りつつ囁いた。
「お待ち下さい。あの者の目をご覧下さい。あの者を助ければ必ず以後我々にも利益をもたらすに違いありません。」それを制して振り返りもせずに言ったのはベルリオースだった。

 しばらく黙っていたこの悪のパーティーのリーダーであるベアトリクスは、やがてこう言った。
「ベルリオース、そなたの見立てを信じましょう。」

 普段、街の酒場で出会っても決して同じテーブルに就くことのなかった者たち同士が、ついにこの洞窟の深部にて出会い、お互いに協力することとなった。
2009-03-06 | 記事へ | コメント(5) | トラックバック(0) |
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2009年03月01日(日)
闇の聖典:白と黒
「むむ。これは完全に迷ったぞ…。」

 ここは、南の洞窟地下5階。今しゃべったのはこの一団のリーダー格であるナルシヴァルという君主だった。
 彼らは、依頼を受けてこの南の洞窟に王に呪いをかけた者を探しにきている6人の冒険者だ。3つのメダルを手に入れてエレベーターを発見した彼らは、初めて地下5階のこのエリアに足を踏み入れたところだった。彼らのパーティーでDUMAPICの呪文が使えるのは、魔術師のバイロンだけだったが、新しいエリアの探索ということで宝石の指輪もいくつか用意してきていた。しかし、入り口に*白と黒に別れた部屋*と書かれたこのエリアは一歩ごとにダークゾーンが存在するため見通しが利かずしかもところどころに回転床が仕込まれているために一歩歩くごとに現在地を確認しなければとても探索することができなかった。バイロンのDUMAPICはすぐに尽き、レダとグレッグの持っていた宝石の指輪も壊れてしまった。

 闇雲に歩き回ればいつかはこの状況を抜け出せるのではないかと歩きまわっていたが、先ほどメデューサリザードの一群に遭遇し、唯一LOKTOFEITを使える僧侶のグレッグが石化させられてしまったのだ。石化を治療できるMADIが使えるのもグレッグのみとあってはもう緊急脱出の手段もない。特効薬やルビーのスリッパなど事前にできる準備を怠ったせいだと言われればそれまでだが、それらの商品は商店の在庫も限られるため無駄にはできない。

「私がMALORを覚えていればよかったんですけどね。仕方ありません。右手の法則でいきましょう。」とバイロンが言った。

 それは、ダンジョン探索の基礎中の基礎ともいえるものだ。彼らも普段から無意識にそれに近い行動はとってはいたが、このエリアに限ってはそれを実行するのもままならないことがわかった。ダークゾーンにおいてはすぐ目の前に存在する壁すら見えないのだ。したがって壁があるかどうかを確かめるにはそちらに向かって進み壁にぶつかってみるしかない。苦労しながら歩き回っていると先頭を歩く野伏のスカーレットが急に立ち止まり無言で合図を送る。魔物の一団の気配を察知したのだ。

 全員で息を潜め魔物の様子を伺うと彼らが一度地下6階までエレベーターで降りた際に一度だけ遭遇したレッサーデーモンという悪魔だった。そのときは魔術師のバイロンがMADALTOを浴びて倒れ、勝てないと判断して逃げ出した。今回はこちらが先に気が付いたので今逃げれば安全にやり過ごせるかも知れない。

 息を潜めたままゆっくりと後退しようとした彼らだったが、レッサーデーモンはこちらに気が付いてしまった。瞬く間に悪魔は冷気の呪文と火炎の呪文を交互に浴びせかけてきた。

 圧倒的な冷気に体力のないレダとバイロンがまず崩れ落ちた。こうなってはもはや勝てる見込みは全くない。とにかく運を天にまかせて逃げ出すだけだ。3度目の逃走でようやく逃げ出せたがスカーレットも絶命していた。生き残っていたのはタケルフとナルシヴァル、そして石化したままだがなんとか死を免れたグレッグだけだった。
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2009年02月12日(木)
闇の聖典: 勇者再臨
 キャラクターを前回と同じように作り直して再開したWiz外伝IIIについて少し書いてみます。以前コメントに書いたようにコンセプトは全種族全職業制覇で、キャラクターのモデルはUltima Onlineでの友人達です。善パーティーは外伝IIの五行パーティーを転生させたので悪パーティーは新職業新種族がメインになってます。普通に考えると意味不明な転職をすることになってますが、全てはキャラクターのイメージを優先するためです。ブリタニア=Ultima Online、リルガミン=Wiz外伝I、アルマール=Wiz外伝II、ダリア=Wiz外伝IIIってことで。

 ダリアという国に東方から6人の旅人が流れ着いた。いずれも古の勇者の血をひくという善の者達だった。

N-Hum-F-Nin→Ran: スカーレットA
 ブリタニアで狩人だった彼女は、リルガミンで盗賊となった。異次元で盗賊の短刀入手して忍者となり、アルマールではダイヤモンドリングのみを身につけていた。ダリアに転生した彼女は、野伏に転職した。


N-Dwa-M-Fig: タケルフA
 ブリタニアではドワーフを祖先に持つ戦う鍛冶屋。リルガミンでは戦士となったが一旦喪失してしまう。アルマールで復活を果たし、金剛の戦斧を握っていた。そして今回ダリアに転生した。


G-Hum-M-Lor: ナルシヴァルA
 ブリタニアではトリンシック地方を任された大公職にあった彼は、リルガミンでも当然生まれながらの君主だった。アルマールではベイキングブレードを振るって活躍し、そして今ダリアに転生した。


G-Gno-M-Pri: グレッグ♥
 ブリタニアではオークの修道僧だったが、リルガミンではノームの僧侶として誕生。アルマールでは大地のフレイルを振るったが、どうしても転生の儀式に失敗するため、ダリアへはリルガミンから再転生を果たした。


N-Hob-F-Thi: レダA
 ブリタニアでは商家の娘から騎士に叙任されるまで昇進したが軽いノリは抜けず、アルマールにはホビットの盗賊として誕生してアイシング†を振るった。ダリアに転生しても相変わらず盗賊である。

 
G-Elf-M-Mag: バイロンA
 ブリタニアでは吟遊詩人だった彼は、リルガミンではエルフの魔術師となった。アルマールでは木霊の弓を手にした。ダリアに転生した彼は、魔術を全て覚えたら詩人に戻ろうと思っていたら善では詩人になれないことが発覚。



 さらに6人の旅人が現れた。彼らは新しい時代に生まれ新しい価値観をもった悪の者たちだった。

N-Hum-F-Val: ベルリオース
 ブリタニアでは戦乙女だった彼女。新たにダリアに生まれた彼女は当然ながら戦乙女であった。


E-Liz-M-Fig→Nin: モホーク
 ブリタニアでは部族戦士だった彼は、ダリアにおいては屈強な肉体を誇るリズマン戦士として生まれた。野伏になったスカーレットに代わり忍者になった。


N-Raw-M-Sam: ャストキ
 ブリタニアでは人狼族の武者だった彼、リルガミンとアルマールにおいて現れていた人間侍のヤストキという人格は消え、今回ダリアには新たにラウルフ侍として現れた。


E-Dra-F-Bis: ベアトリクス
 ブリタニアにおいては大古の昔より生きる魔女だった彼女。その正体は古代竜の化身とも言われていた。そのためかダリアに生まれた彼女はドラコン司教であった。いずれは錬金術すら習得するかもしれない。


E-Fae-F-Bar: キリー
 ブリタニアにおいては魔女の弟子だった彼女。死霊術でバンシーとなり空を飛ぶことの多かった彼女は、ダリアには、フェアリー吟遊詩人として生まれた。


N-Moo-M-Alc: オデッサ
 ブリタニアにおいては呪いにより骨顔になった料理人だった彼。ダリアにおいてはムークの錬金術師として生まれた。


 最後はかなり強引でしたがなんとか上手く当てはまってくれたと一人悦に行っています。両パーティーを交互に使いながらなんとか南の洞窟B2までやってきました。悪パーティーのほうは錬金呪文が主力になるため高坂さんのプレイが非常に参考になります。
2009-02-12 | 記事へ | コメント(11) | トラックバック(0) |
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2009年01月01日(木)
そして・・・伝説へ
 ダリア城の城下町に2組6人ずつの冒険者達がいた。善のパーティーは、人間の野伏スカーレット、ドワーフの戦士タケルフ、人間の君主ナルシヴァル、ノームの僧侶グレッグ、エルフの魔術師バイロン。悪のパーティーは、人間の戦乙女ベルリオース、リズマンの忍者モホーク、ラウルフの侍ャストキ、ドラコンの司教ベアトリクス、フェアリーの吟遊詩人キリー、ムークの錬金術師オデッサ。
 
 他に並ぶ者のないこの2組は時に競い合い、時に協力し合い、失われていた伝説の宝珠を取り戻した。宝珠を手に入れたことにより自信をつけたアガン王は、山脈の彼方の呪いの城に攻め込んだ。12人は王を追いかけて山脈の中腹まで馳せ進んだといわれている。四大元素を象徴する巨人や巨大な悪魔達とも渡り合ったと言われた彼らだが、ある日突如として消息を絶ってしまった。彼らだけではない。常に酒場に残っていたはずの者達すら同時に姿を消した。以後、12人を見かけた者はおらず、ダリア城に王が戻ることもなかった。

(完)

チビチビと攻略を進めていた外伝IIIのデータが、この年末、電池切れで消えてしまいました…。 
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