ニックネーム:Takelph
隠居鍛冶屋の旅日記(主にゲームという名の仮想現実内で)

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2009年03月01日(日)
闇の聖典:白と黒
「むむ。これは完全に迷ったぞ…。」

 ここは、南の洞窟地下5階。今しゃべったのはこの一団のリーダー格であるナルシヴァルという君主だった。
 彼らは、依頼を受けてこの南の洞窟に王に呪いをかけた者を探しにきている6人の冒険者だ。3つのメダルを手に入れてエレベーターを発見した彼らは、初めて地下5階のこのエリアに足を踏み入れたところだった。彼らのパーティーでDUMAPICの呪文が使えるのは、魔術師のバイロンだけだったが、新しいエリアの探索ということで宝石の指輪もいくつか用意してきていた。しかし、入り口に*白と黒に別れた部屋*と書かれたこのエリアは一歩ごとにダークゾーンが存在するため見通しが利かずしかもところどころに回転床が仕込まれているために一歩歩くごとに現在地を確認しなければとても探索することができなかった。バイロンのDUMAPICはすぐに尽き、レダとグレッグの持っていた宝石の指輪も壊れてしまった。

 闇雲に歩き回ればいつかはこの状況を抜け出せるのではないかと歩きまわっていたが、先ほどメデューサリザードの一群に遭遇し、唯一LOKTOFEITを使える僧侶のグレッグが石化させられてしまったのだ。石化を治療できるMADIが使えるのもグレッグのみとあってはもう緊急脱出の手段もない。特効薬やルビーのスリッパなど事前にできる準備を怠ったせいだと言われればそれまでだが、それらの商品は商店の在庫も限られるため無駄にはできない。

「私がMALORを覚えていればよかったんですけどね。仕方ありません。右手の法則でいきましょう。」とバイロンが言った。

 それは、ダンジョン探索の基礎中の基礎ともいえるものだ。彼らも普段から無意識にそれに近い行動はとってはいたが、このエリアに限ってはそれを実行するのもままならないことがわかった。ダークゾーンにおいてはすぐ目の前に存在する壁すら見えないのだ。したがって壁があるかどうかを確かめるにはそちらに向かって進み壁にぶつかってみるしかない。苦労しながら歩き回っていると先頭を歩く野伏のスカーレットが急に立ち止まり無言で合図を送る。魔物の一団の気配を察知したのだ。

 全員で息を潜め魔物の様子を伺うと彼らが一度地下6階までエレベーターで降りた際に一度だけ遭遇したレッサーデーモンという悪魔だった。そのときは魔術師のバイロンがMADALTOを浴びて倒れ、勝てないと判断して逃げ出した。今回はこちらが先に気が付いたので今逃げれば安全にやり過ごせるかも知れない。

 息を潜めたままゆっくりと後退しようとした彼らだったが、レッサーデーモンはこちらに気が付いてしまった。瞬く間に悪魔は冷気の呪文と火炎の呪文を交互に浴びせかけてきた。

 圧倒的な冷気に体力のないレダとバイロンがまず崩れ落ちた。こうなってはもはや勝てる見込みは全くない。とにかく運を天にまかせて逃げ出すだけだ。3度目の逃走でようやく逃げ出せたがスカーレットも絶命していた。生き残っていたのはタケルフとナルシヴァル、そして石化したままだがなんとか死を免れたグレッグだけだった。
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