ニックネーム:Takelph
隠居鍛冶屋の旅日記(主にゲームという名の仮想現実内で)

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2007年10月25日(木)
獅子の城の最後
 Gillette大公妃様の陵墓「月の城」が腐り落ちたというSaber殿の報告がエセリアル空間を越えて伝わってきて間もなく、Britanniaに残る私の協力者よりスクランブル信号が発せられた。それは、元大公城、「獅子の城」にも腐敗の魔手が伸びているとの報せだった。
 比較的最近建てられた陵墓とは違って主城には、在りし日の大公国の活動の記録なども保管されている。これらをそのまま朽ち果てさせるには偲びない。なんとか手を打ちたいがBritanniaに戻ることが未だにできない。仕方がないので協力者に働いてもらうことにした。
 彼が、獅子の城の状態を確認した時点で腐敗度はGreatly。翌朝再確認した時点ではまだGreatlyだったが、その夜彼が見に行ったときには既にDangerとなっていたらしい。そしてさらに城内には人影があった。それは、Beatrix様、Ito Ittousai殿、Karenさん。大公国に以前より懇意にして頂いていた方たちも腐敗に気がつき駆けつけて下さっていたらしい。だがその場に赴いた私の協力者のことを知っていたのはKarenさんだけだったようで見知らぬ侵入者に対して疑いの目が向けられた。そこにSpark殿やkirryちゃんもやってきたのだが彼の立場はよくはならない。そこで彼は一つの賭けに出ることにしたそうだ。それは私をBritanniaに呼び戻す試みに挑戦することだった。
 1月9日の記録にあるように職業ギルド連合で持ち帰った2つのBlackrockを調べている最中、その断面が輝きだし、私はその光に触れたとたんにその中に吸い込まれて異世界に転移させられてしまった。そして、そこから戻れなくなってしまっていたのだ。私の協力者は、転移の原因がBlackrockにあるのであれば、その元を破壊すれば反作用でもとの世界に戻れるかもしれないと考えたそうだ。彼は、原因の2つのBlackrockを獅子の城に集まった面々に見せてそれの破壊を依頼した。
 最初は、Spark殿が物理的に破壊しようと試みたが渾身の力で武器を叩きつけても黒い石には傷一つつかなかった。見かねた魔女様が、「あれしかないのか」と呟いた。「あの呪文だ。」それを聞いた一同はざわつく。「さすがに、あれは…」と恐れるSpark殿。どうやら危険な術らしい。だが、魔女様は魔法陣が隣の神殿にあると聞きそこへの移動を促した。そこに2つのBlackrockを置かせると魔女様は両手を空に掲げ複雑な文様を描きながら長い呪文の詠唱を開始した。
「Vas Kal An Mani In Corp Hur Tym」
 詠唱が終わるや否やすざまじい轟音と青白い炎に辺りが包まれてBlackrockの欠片が一つ消滅した。幸いにも魔女様は無事だったが、KarenさんがGreater Healを待機していたところを見ると運が悪いと命を落とし兼ねない非常に危険な術らしい。魔女様は、Blackrockが一つ爆発して消滅した以外は何も変化がなかった事を見て取るやすぐさま、2度目の詠唱を行ったが次はBlackrockにも変化がなかった。同一人物が術を行うにはしばらく時間を置かないと駄目らしい。
 危険な術である事を知りながらもSpark殿が次は自分がと手を挙げるが魔女様が魔術の才がなければ無理だと一蹴する。好奇心旺盛な魔女の弟子kirryちゃんが代わりに詠唱をしようとするが、私の協力者が待ったをかけた。一つ目のBlackrockが爆発したのを目の当たりにして怖くなったらしい。もし、もう一つが消滅しても何も起こらなかったら私が戻ることが完全に出来なくなるのではないかと。
 彼の恐れは奇しくも当たっていたようだ。その頃私はBlackrockによって転移された異世界において結界の破れを感じとっていた。これは、今現在での推測に過ぎないが、私が異世界に転移させられ戻れなくなっていたのは、二つのBlackrock間の干渉によりエーテルの結界が閉じてしまっていたからのようだ。Blackrockが一つになったことで干渉がなくなり結界は開き、私は異世界においてブリタニアへのアストラルゲートを見つけていた。もしもう一つのBlackrockも消滅していればそのゲートは再び閉じてしまっていただろう。そんなわけで私は帰路に立っていたが、転移には多少のタイムラグがあったようだ。
 私の体が神殿に具現化したときには、魔女様達は元大公城に戻っていた。そして、それは本当にタイミング的にギリギリだったらしい。皆と再会を喜び合う間も惜しいほどに腐敗の時は迫っていた。唯一コオーナー権限を持っていた私が来た事により、とりあえず運び出せるものの搬出が開始された。魔女様達が用意した荷ラマに荷物を乗せて隣の神殿の空いたセキュアに運ぶ。資材の一部は非常に重く荷ラマに乗せることも不可能だったのでドリブルで運ぶしかなかった。だが、我々がその時点で運び出せるものを全て運び終わらぬうちに彼等がやってきた。
 [123]のギルドタグを持つ赤目の襲撃者達だった。彼等も腐敗している城に目をつけ、タイミングを見計らって待ち構えていたに違いない。魔女様や一刀斎殿達が応戦を始める。私は事態の深刻さにとにかく少しでも今の内に輸送できるものを探しに城内を走りまわった。しかし、執務室の物などは殆ど大公殿下が設置されており、書棚に納められた本なども動かすことはできない。外では何人かが襲撃者に討ち取られてしまっているようだ。そして、その中でついに城の崩壊が起こった。
 場慣れしている襲撃者達の対応は素早い。瞬く間に新たな土台を設置してそこに拾ったものをロックダウンしていく。私は何とか少しでも持ち運べるものをと拾いながらもそれを運ぼうとするうちに襲撃者の攻撃を受けて倒れていた。
 やがて襲撃者も自分達の優位が確定したのを見計らって攻撃の手を緩めだす。こちらも適わないことを理解して彼等との交渉に移ることにした。彼等の狙いは資源や価値の高いアイテムだろうと踏んで恐らく彼等がいらないであろう書簡や記録簿などを返してもらえないかと頼んだのだ。もし可能であればGDMのギルドストーンも。
 彼等は意外にもすんなりと交渉に応じてくれた。またギルドストーンは、現在では非常に価値が高いが権利書の状態で保管されていたならば回収可能だが、石の状態で置かれていた場合は消えてしまうことも教えてくれた。GDMの名の刻まれたギルドストーンがなくなってしまったのは残念だったが致し方ない。[123]の面々が、見つけだしては置いてくれる箱の中から我々が欲していた大量の記録簿が見つかった。また非常に重い箱の中には備蓄していた食糧が入っていた。「お店でもやっていたのか?」と彼等は不思議そうだ。そのとき、「おお、あるじゃん」といいながら123の方が差し出してくれたものがあった。それは「Ashnod'」の名が刻まれたギルドストーンの権利書であった。価値が高いものではあるが彼等は快くそれらも返してくれた。そしてさらに様々なものをあの襲撃と崩壊の混乱の中でkirryちゃんがこつこつと拾い集めて神殿に運びこんでくれていたのだ。玉座や薔薇などがその中から見つかった。
 そして、最後には[123]の面々が土台を撤去し、彼等が興味のないものを全て解放してくれた。神殿に入りきらないものはKarenさんが月の城の跡地に確保した土台に運びこむ。Karenさんは月の城の跡にマティアスゆかりの品々を陳列した部屋を作ってくださるそうだ。こうして、元大公城は消滅したが、古き友人達のお陰でマティアスの命脈は保たれ、私Takelphはこのブリタニアに再び戻ることができた。

2007-10-25 | 記事へ | コメント(2) | トラックバック(0) |
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私が不在の間に、大きな出来事が起こるのはよくあることですが、これは少々ショックですね。
タケルフさんはブリタニアに復帰されたんでしょうか?
おおう、Bailone殿。
私も予想だにしていなかった事態に戸惑っております。
殿下がご無事ならよいのですが・・・。
私自身の状況としましては、一応Britanniaに帰還したということになりましたが現実的には相変わらず殆ど顔を出せていない状態です。
大公城から移動した物品の整理もできておりません。
旧大公領付近に居を構えるKarenさんやSaber殿が有効に使って頂きたいと思うのですが。
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