闇の聖典: ある騎士の決断
ベルリオースに率いられた新第三パーティーは、南の洞窟の古代神が取り戻していた宝珠も再び手に入れた。探索の進行に伴い不必要になる鍵などのアイテムを無事に保管しておくことがベアトリクス達から託された第三パーティーのもう一つの目的だったからだ。その目的を達してもなお、彼等は修業と強力な武具の探索を兼ねて南の洞窟地下6階を歩き回っていた。金銭的には余裕が出てきたが、できれば近衛兵の力を借りずに山脈に残された悪パーティーの遺体の救助を行う実力をつけたかったからだ。修業の場としては前回全滅を喫したダンスホール付近や山脈の麓のフィールドも考えられたが、ピーコックやヘルガードといった強力なブレスを持つ敵の危険性を考慮し、この洞窟で修業を続けることにした。
「蟹1とミミズ5!奇襲!」と先頭の野伏フォルカスが叫んだ。
ジャイアントクラブとジャイアントワームに奇襲を受けた。ジャイアントクラブはその巨大な鋏を振り回しこちらの首を刎ねてくる危険な敵だ。しかもその固い殻は、ほとんどの呪文を通さず、物理攻撃もなかなか当たらない。おまけに次々と仲間を呼んで増殖する。この洞窟に現れる敵の中では間違いなく一番強いだろう。
巨大な鋏がパーティーを襲ったかと思うとベルリオースのオレンジの髪に包まれた頭部が宙を踊った。パーティーの支えでもある彼女の一瞬での絶命に動揺が走る。
「踏み止まれ!蟹はたった一匹!ベルリオースの仇をとります!」
ロザリンドが叫び長槍を構える。我に返った他の者達も、それぞれの役割を思い出した。ゴチのLABADI成功に希望を見出したのも束の間、フォルカスの矢がジャイアントクラブに届く前にもう一匹ジャイアントクラブが現れた。ギレットのMORLISに助けられながらロザリンドとフォルカスが叩きまくりなんとか蟹を倒しきったが、その間にジャイアントワームが次々と毒攻撃を仕掛けていた。LATUMOFISを唱えようとするもロザリンドとゴチの解毒呪文の使い手二人が先に倒れてしまう。フォルカスがKANIQUAとDALQUREAを重ねてジャイアントワームを何とか倒そうとしたが、意外にしぶとかった。最後のジャイアントワームが倒れたのと最後に残ったフォルカスに毒が回りきったのは、ほぼ同時だっただろう。逃げていれば全滅は避けれたのかもしれないが、フォルカスは、敵も倒れたことに満足して息絶えた。
………
居残り組の戦士三人は、すぐに行動に移った。ベルリオース達が修業の場にしていた南の洞窟地下6階へは運がよければエレベーターで敵に出会わずとも到達できる…、はずだったが、地下2階に下りたとたんにレディーウォーロック4人の部隊に遭遇した。
襲い掛かるLAHALITOの火炎に体力が低かったセイバーが倒れた。続くTZALIKの雷撃に三人の中でもっとも体力のあったバルバスも打ちのめされる。次々と倒れる仲間を前に何とか冷静さを保ったヴォルカノは二人の遺体を引き摺り一目散で逃げ出した。なんとかダリア城下にたどり着き、寺院にセイバーとバルバスの遺体を預けたヴォルカノだったが、彼は本当に孤独になっていた。訓練所に登録されている冒険者で生き残っているのは、彼一人。修業の進んでいない戦士一人では、体力の回復には宿屋に泊まるしかない。宿屋に泊まるには金が必要だが、戦士の彼が宝箱に触れるのは危険すぎる。自らの宿代にも苦慮する彼が、セイバーとバルバスを蘇生し、再び新第三パーティーの救助に向かうのは永遠に不可能に思えた。
「ロザリンド様、今の私ではあなたをお救いすることはできそうにありません。」
悩んだ末に、ヴォルカノは自分の登録を抹消し、代わりに別の者を召喚することにした。簡単に死なない体力と資金を調達できる能力を持つ者ということで白羽の矢が立ったのは、アルマールで活躍していたドワーフ盗賊ジェルジスだった。
ジェルジスは期待に応えて無事セイバーの蘇生費を調達した。二人になってからは順調に戦闘をこなし、なんとかバルバスの蘇生費も稼ぎ出すこともできた。こうして戦士二人に盗賊一人で南の洞窟地下6階に救助に向かうことになった。
新登場人物紹介
Dwa-M-Thi-E ジェルジスA
ブリタニアでは諜報機関「大公の手」の局長を務めたジェルジンスキーことジェルジスは、悪の盗賊として召還された。
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2009-08-29
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Wizardry: Scripture of the Dark |
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玄人WizプレイヤーのTakelphさんでも苦戦する難易度とは。
是非リンク先の死屍累々に行ってみてください。
外伝IIIをアルケミスト系呪文のみでクリアしたり、
FC版のLOLを中立のみでクリアしたり、
(転生などないので僧侶系なしということです)
そんな縛りプレイの数々もすごいんですが、
そこから紡ぎだされる物語が素晴らしすぎます。
プレイヤーごとに物語が存在するあたり、Wizプレイ日記は面白いですよね。